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サラリーマンがフリーより恵まれている7つの相違点と、だからどちらを選ぶのが良いの?という話

少し前の記事ですが目にとまったこちら。


その通りだなあ、と思いながら読みました。私も両方の立場を持っているのですが、フリーの仕事をやってみて初めて気づいたことは幾つかあります。


①フリーは名刺交換において短いトークの間にいかに具体的な話にまとめたり相手に印象付けたりという緊迫感があるが、サラリーマンでは儀礼的なご挨拶という意味合いが強くさほど切迫感はない。

②フリーは「仕事が決まらない」というこの上ないプレッシャーと戦う日々が時折あるが、サラリーマンには全くない。

③フリーは仕事の単価が自分のブランド価値の一部であり相手との駆け引きを要するが、サラリーマンは予算の範囲内であるか上司の決済さえ貰えればさほど悩まない。

④フリーはチラシの印刷費単価や打ち合わせの交通費やコーヒー代が所得を押し下げる要因になるが、サラリーマンはそれらが会社から経費として支給される。

⑤フリーは一つの仕事に時間を掛けるだけ相対的に機会損失となるが、サラリーマンは意識せず仕事の完成度に集中できる。

⑥フリーは時に入金の心配をして恐る恐る相手に督促しなければならないことがあるが、サラリーマンは毎月決められた日に必ず入金がある。

⑦フリーは大切な仕事の当日に熱を出してキャンセルするということがイコール事業者としての死活問題になるが、サラリーマンはリスケしたり代役を立てるなりして対応できる方法がたくさんある。


いかがでしょう、少し挙げただけでもこんなに違いがあります。サラリーマンは、本当に恵まれている職業なのです。だから、サラリーマンを選び、ずっと続ければ良い?それは人それぞれの職業観です。

フリーの仕事がこんなに大変なのに、それでも何故トライする人が大勢いるのか。その理由も人それぞれですが、一つだけ言えることは

「自分が好きなことを、好きなようにできる」

という魅力です。望む仕事を取りに行く自由があり、望むカタチに仕上げる自由があり、折り合わなければ降りる自由があります。

サラリーマンには時に「好きでもないことを、好きでもない方法でやらなければいけない」局面が訪れます。選択権は、常に自分にはありません。

ですから、職業を決める時はそういう一つ一つのことをトレードオフしているんだ、という意識が大切です。大学生が就職活動ですべきは名だだる企業の内定を並べることではなく、自分の職業観の第一歩を形作ることに注力することなのです。

つまり「どこで働くか」ではなく「どのように働くか」ということの重さを感じることです。人生は何度でもやり直しが出来ますが、しかし無限にというわけはいきません。出来ることなら社会に踏み出す瞬間を、納得の選択をして迎えて欲しいと思います。

また中高年のサラリーマンも、いずれ迎えるラインオフや役職定年、転籍含みの出向や早期退職勧奨、そういうシビアな場面に立つ前に、どうかこういう根本的なことをじっくり考えてみて欲しいと思います。あなたが今置かれている社内のポジションや名刺の役職名や残してきた数多くの実績は、会社の名前があるから得たものであってあなた個人の実力とは異なるものです。

そう言われて反感を持つかもしれませんが、では例えば社名と役職を名乗らずに一週間で一万円を正当なビジネスの報酬として稼ぎ出すことができますか?あなたの魅力、強み、エンジンはどこにあり、他人とどのように異なり、それを武器としてどのように使い社会での役割を果たしながら、同時に稼ぎを得ることができますか。それが本来の、仕事の実力とされるものです。

65才や60才の定年退職を迎えてから新たに何かを始めることはとても困難を要するものです。55才でも50才でも同じです。出来ることならより早い時期できれば今すぐに、組織人としての働き方だけではなく個人としての働き方を体験し、好きを仕事にする経験を得て欲しいと思います。いきなりリスクを負って退職・起業しなくてもそれを得る方法は様々にあります。

ご自分で調べてみれば、あなたにとって適した方法や実践者がたくさん見つかります。そして、それを始めることがリスクなのではなく、何もしないことがリスクであることにきっと気づきます。あなたが思い込んでいるよりも遥かに会社や社会は変化していて、しなやかです。多様な働き方を受け入れる世の中に既に変化を始めています。

どのように働くか、ということはどのように生きるか、を形作る中の大切な一つの要素です。働くことだけが全てでは決してないのですが、しかしどのように働くかは、人生の充実感に大きな影響を与えることも事実です。永遠に向き合っていきたい、正解のないテーマです。




写真:「ロボットクリエータ高橋智隆と100Robi展」より。コニカミノルタプラザ、3/30まで。 http://www.konicaminolta.jp/plaza/schedule/2015march/100robi/index.html


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