企業団体・非営利組織向け事業支援のご案内
こんにちは、スキルノート 主宰の芦沢です。10~11月は働き方の多様性について考える2講座「地域で輝く2枚目の名刺」、「働き方のReデザイン~複業での自立と地域貢献~」に大きな関心をお寄せいただき、合計で70名近いご参加をいただきました。
柔軟な働き方は、そのまま柔軟な生き方につながります。私たちが持続可能な人生をおくるために今立ち止まって考え行動することは、自分だけでなく後の社会を良くするものと信じ、引き続き取り組んでいこうと思います。
さて、スキルノートでは企業・団体や非営利組織の皆様の人材育成支援や事業支援を実施しています。今年も複数ご採用をいただき実施して参りましたが、2018年度の職員研修や組織強化にご検討いただきましたら幸いです。
■組織強化、人材育成:企業・団体において定期的な訪問による研修実施、担当者と一対一の事業相談を通じた行動力の引き上げを行います。対象者と課題意識に合わせた支援内容をカスタマイズいたします。(半年~1年間、月1回2〜3時間訪問)
■ビジネススキル研修:企業・団体における職員の基礎スキル向上策として、「リーダーシップ基礎理解」「問題解決力を高める発想力・思考力の強化」「プレゼンテーション技術の習得」「社内ファシリテーター養成」「組織のコミュニケーション強化」の研修を実施いたします。(1回90分~120分、複数回シリーズ可)
■助成金申請シナリオ構築・プレゼン参画:公益団体およびNPOを対象に、地域活性化や地産地消・子育て・アートフェス等に関する事業支援助成金の獲得支援を行なっています。助成金は文字数の少ない書面と数分のプレゼンテーションで成否が決まります。プレゼンチームに参画しながら的確な伝え方をご指導し助成金を得ることで、公益事業の発展にご活用いただけます。(申請内容により応相談)
「あなたは役立っているよ」という気持ちは口に出すことで輝きを放つ
今年の初めから継続的に人材育成のご支援をさせていただいている非営利団体さんがあります。月に一度お伺いし、何人かの担当者さんとの面談を通じ事業の課題を共有したり、解決の道筋を一緒に考えたり、想いや時には不満を受け止めたりしてきました。
自分自身として「部分的には、何らか役立っているはず」という主観的な考えはあるものの、短期的に成果につながるものではないので、確証のないままに過ごしていました。そんな矢先、いつものように訪問した際にマネージャーの方から「あなたのおかげで、うちのメンバーがイキイキしているよ。適度な緊張感と楽しみな気持ちで、前向きに取り組めているよ。」といった主旨のお声掛けをいただきました。
思いがけずそんな言葉をかけていただき嬉しいのと同時に、ああ気持ちを言葉に表すという行為のパワーは凄いなあと感じました。逆に、どんなに心の中でポジティブな感情を持っていたとしても、ハッキリと口に出して相手に伝えない限りそれは伝わらないのです。
自分自身の行動を振り返り、果たして日頃お世話になっている周囲の人たちに、「あなたは役立っているよ」という明確なメッセージを発しているだろうか。口に出すことでその言葉は初めて輝きを放ち、相手も自分も幸せな気持ちを共有できるはず。そのように心がけようと心に決めた、そんな日になりました。
「バズる記事」は本質的な変化を遠ざける
これまでの価値観を根本から見直すような本質的で真理を突いた意見を明確に述べることと、その文章がweb・ソーシャルメディアを会して何万何千の人たちに支持され読まれる(バズる)こととの間には、正の相関関係は無いと常々感じている。
何万何千の「いいね」やブックマークを得るということは、つまりマジョリティーの意見をその文章が代弁しているということだ。同感・共感のシェアは「ああこの人は自分と同じ想いで、それを自分に代わりわかりやすく表現してくれている」と感じることで生まれ、それが受け手からさらに拡散し、より多くの人の目に届くという仕組みだ。
しかしよく考えてみると、マジョリティーの意見というのはおおよそ、これまでの歴史や生活を基盤にそれを守り育てる方向にベクトルは向いている。そりゃそうだ、誰も自らのやってきたことを率先して否定はしたくないという自然な想いを持っているからだ。つまり、社会全体としては常に「変化」は嫌われる傾向にある。その中で広く支持される意見というのはどうしても過去の価値観に従ったものになり「あるある」的な予定調和の話題ほど違和感なく多くの人に好まれるものだ。
ところが社会に何かしらの課題が発生していたり、世の中の価値観が変化していく節目においては、そのバズる情報が「変化を遅らせ、遠ざける役割」にしかならないことがある。自分としては薄々これじゃダメかもと感じている萌芽が、多くのマジョリティーの支持意見を目にすることで抑え込まれ、まだまだこのままで大丈夫と自分を言い聞かせ、そして変化のタイミングを次第に逸していく。
今日もまたきっと幾つかの文章が拡散され私たちはそれを目にすることになるだろう。親切や感動のエピソード、親や友人との会話からの普遍的な気付き、働くことや会社組織のあり方についての教訓、、、。
それら一つ一つを否定したいわけではない、書き手にとっては素直な想いの発信であろう。ただそれが多くの人に好まれる文章であればあるほど、旧来的な価値観に基づいた、ともすると社会の変化を遠ざける意見である可能性が高いことを、頭の片隅に置いておいて欲しいのだ。家族観、子育て論、教育論、労働観、リーダーシップ論 etc. 時折議論になるそのどれもが、古くからの価値観と新たに接する出来事との折り合いの話題になる。そして、自然とより多くの声が集まる方へと収束してしまう。
寄らば大樹の陰とは昔の人はよく言ったものだ。どうしても私たちは他人に嫌われたくない、多くのひとと同じ側に立ちたいという同調バイアスがあり、意識せずともそちら側に判断軸を傾け、安心感を得ている。反面、それでは世の中変わらないよね、ということも同時に言える。どれだけ意識的に、他人と異なる意見をヨレずに表現し伝えられるか。また多くの人に支持されなくとも、真意が伝わる相手が一人いれば良いという気持ちでいられるか。それは自分自身とのとの闘いの日々だ。
本質的で真理を突いた、過去の価値観を否定する意見は多くの人には好まれない。だけどそれを表現する使命が自分にあるのだと感じるのなら、続けて行くのがいい。時を経てきっといつか想いを同じくする誰かに届き、社会が必要とする変化の局面に立ち、いよいよ機が熟した時それが少しだけ役立つことができるはず、僕はそう願うのだ。
なぜ今、パラレルキャリアなのか(寄稿記事)
特定非営利活動法人 NPO・えん 様の機関紙「万里夢(マリーム)」2017.10発行号へパラレルキャリアについての記事を寄稿させていただきましたので、その内容をご紹介します。
皆様はじめまして、私は現在サラリーマンの仕事と別に、「スキルノート」という事業名でコミュニケーションやビジネススキル・多様な働き方に関するセミナーの講師をしています。最近少しずつ聞かれるようになった「パラレルキャリア」という働き方、生き方です。そんな形に切り替えて約5年になりますが、続けてみて感じていることを今日はご紹介します。
5年前というのは東日本大震災が起きてしばらく経過した頃で、旧来型の価値の見直しや働き方・生き方を具体的に変えようという人たちが現れ始めた時期です。私自身もそれまでの「猛烈サラリーマン人生」というレールに疑問と疲れを感じていたこともあり、何かできないものかと機会を探っていました。元々大学時代には教育学を志していたこともあり、企業に入社後の経験を振り返り最もしっくり来た仕事として「人材育成に関する役割」に焦点を当て、記憶や経験の整理を始めました。
そして日ごろから興味関心を持ちインプットしてきた人材育成に関する知見や、勤めの仕事を通じて得てきたものを一貫性のあるメッセージとともに形にし、社会に役立てていきながら自分自身の2本目のキャリアとして並走させてみよう、という取り組みを開始しました。「講座・研修」というスタイルを軸に定め、現在は年間約20~30回程度を自治体や企業、NPO等との連携により実施し、同時にブログ・SNSからの情報発信を行っています。
一連の取り組みを通じて感じていることは、いま世の中では「リスク」の内訳が変化しているということです。これまでは「他人と同じことをし、一つのことを続け、ルールを決して逸脱しない」ことがリスクを回避する正解とされてきましたが、今はそうすることが逆にリスクを高めているように思います。
私たち人間は元来身を守る習性として「安全バイアス、正常性バイアス」が働き、変化を好まない傾向にあります。働き方・生き方においても同様で、周囲を見渡して逸脱しない選択肢こそが安全のように思い込まされています。しかし現実には、少子高齢社会や市場経済の縮小など世の中のモノサシ自体が変化している中では自然と「リスク」の意味も変わり、むしろ「変化をしない」ことがより危険な状況を招く可能性もあるのです。
昨年出版され話題となった「LIFE SHIFT」(リンダ・グラットン他 著)に描かれているように、平均寿命が100歳を超える長寿社会を生きる前提で私たちは生活設計をする必要が出てきました。するとこれまでの「教育(学校)→労働(会社)→引退(老後)」というタイムテーブルは意味をなさなくなります。なぜなら多くの人は退職金や年金のみでは生活を維持できず、70歳や80歳を超えても収入の糧を得る必要が出てくるからです。
であるならば生活費を得るためだけに「苦痛を伴う仕事」を我慢しながら続けるのではなく、自分自身の興味関心を高めながら社会に価値を提供する働き方のほうが、長い人生を無理なく支える「本当の仕事」となりやすいでしょうし、人生そのものがより充実していくのではないかと考えています。
「本当の仕事」の中身は人により異なりますが、本人にとってはそれに取り組むことが楽しく好奇心が満たされ、また周囲の人々や社会にとっても価値が高いものであると対価を得られる継続しやすい仕事になっていきます。
そして何より大切なことは、取り組みのスタートは早ければ早い方が良いということです。退職してからさあ始めよう、ではなく30代、40代のうちから勤めの仕事と並行しながら何らかの種まきをし、知識やスキルをインプットすると同時に常にアウトプットを心掛け、会社という枠の外側で一個人の立場として人脈を広げておくことが、近い将来の事業創出の財産になり、それがリスク回避の手段ともなります。
上記「LIFE SHIFT」の中でもこういった兼業スタイルは「ポートフォリオ・ワーカー」として紹介され、今後変化していく社会において選びうる働き方の一つとされています。決してこれだけが正解ではないですし、人それぞれの立場や状況により適した働き方・生き方は様々にあるのだろうと思います。
私たちそれぞれに今求められていることは、将来の生活や社会の姿を自分なりに捉えながら、旧来のモノサシにこだわることなく柔軟に「リスク」を取ること、用意されているレールを正確に進むのではなく自らが新しいレールを轢いていくのだという意識を持つことだと考えています。パラレルキャリアを実践する日々の中で自分自身の現在と将来をおぼろげに見つめながら、そのように感じています。
「いつか」はいつか?
いつか、自分が本当にやりたいことをやろう。
では、その「いつか」はいつやってくるのだろう。
自分が本当にやりたいことは、「いつか」がやってこないと出来ないのだろうか。
本当にやりたいことよりも優先して日々やっていることは、自分にとってどんな意味があるのだろう。
そうして過ごしている毎日に、自分は満足しているのだろうか。
もし満足していないのなら、どうすれば満足するようになるのだろう。
おそらく未来というのは、一つ一つの小さな行動の積み重ねによってしか形作ることはできない。
だから、小さくても日々何か行動することが、自分が本当にやりたいことへと進む、ただ一つの方法だ。
「いつか」はたぶん、いつまで待ってもやって来ない。自分が今日という日を「いつか」に変えない限り。
【10/29】地域で輝く2枚目の名刺作り講座 http://kokucheese.com/event/index/482598