skillnoteのブログ

「スキルで自分らしく」を応援します

「何となく繋がっている人」が不思議と人生に影響を与える理由

f:id:ASHIASHI:20160122184717j:plain

お互いの関係性は薄く日頃頻繁に会ったり連絡することは無いのだけど、ある一部に共通する経験や関心があり、うっすらとつながっている知人を「薄トモ」と呼びます(勝手に命名)。一見、あまり影響のない存在だと思われがちですが、この「薄トモ」と数多くつながっておくとむしろ人生に良い影響を与えるような大切な出来事に巡り合う可能性がありますよ、というお話です。

例えばこんなこと。
・旅先でたった一度出会いその後は特段のやりとりの無い"Facebookのみ友だち"が、ある時とても共感する内容の記事をシェアしてその時心底悩んでいた問題解決のヒントになった

・高校の同級生で年賀状のやりとりくらいの付き合いだったが、ある年に帰省した際ランチの誘いがあり話を聞くと、自分が目指すキャリアのロールモデルのような存在になっていた

・子どもの小学校のPTAの集まりで知り合った地域の人と何と無くつながっていたら、ある時に誘われて以前から関心の深かった地域防災に関わる有意義なネットワークに参加でき新たな仕事が生まれた

これらに共通することは日頃それほど接点が多く無く、特段親しくもないけれども長くつながっている知人から得られる情報について、その大半は自分にとって価値の無い情報で"流れて"いってしまうが、元々何らかの接点もしくは共通点があるため忘れた頃にズドンとその時欲していたストライクの情報を得られる可能性があるということです。また自分自身が時間の経過と共に成長したり変化していくことで、過去には強く関心を示さなかった話題が今は物凄くホットに感じていて、自分にとって有益な情報をもたらす専門家が実は過去のつながりの中にいた、ということでもあります。

この話のポイントは、逆に関係が近すぎたり親しすぎる人、例えば日頃顔を合わせる機会の多い社内の同僚や大学時代からの親友・家族親戚などとは、得ている知識や人脈の重なりが既に大きくそのネットワークから新たに得られる情報や驚きは少ないという事実です。

この考え方を学術的に提唱したのが米国の社会学マーク・グラノヴェッター - Wikipediaという人で"the strengs of weak ties"(弱い紐帯の強さ)という論文で示した理論です。
※ちゅうたい【紐帯】=(ひもや帯のように)二つのものを結びつけて、つながりを持たせる、大切なもの。(Google翻訳

元々この研究は人々が新たな仕事を探す際に、親しい人から紹介されるよりもつながりの薄い人からの情報に従って職を得た人の方が多い、というジョブマッチングの仕組みを明らかにしたものでした。これは求職情報に限らず、情報の価値や伝播という側面であらゆる種類の情報に共通する、世の中に存在する人的ネットワークの見えざる仕組みと言えるでしょう。

私自身もこの理論の存在を初めて知ったのは卒業から20年が経過した大学のサークルOB・OG会での、更に20年先輩のスピーチにおいてでした。その方とは初対面でしたが、同一の活動を大学時代に経験したという細い紐でつながった関係の中で深く共感する話題でしたし、実際にその場で今後のキャリア形成に好影響を与えるであろう新たな情報とつながりを得ることができました。まさに「薄トモ=弱い紐の強さ」の重要性を実感した瞬間です。

思うに、やはり大切なのは自分に近接している同質化した社会に安住しているだけでは何ら発展性を得ることはできないであろうということです。”仕事熱心なサラリーマン”に伝えたいことは、同じ組織の中で小さく動き回る社内政治や、変わり映えしないメンバーでの飲み会の数を重ねていくことはその場しのぎの自己満足に過ぎず、何ら自らの将来の可能性を広げることにはつながっていかないということです。

一方でプライベートの名刺を持ち年間100枚を減らすことができたならば、それは新たに100本の弱い紐を地域社会や何らか特定分野の人たちと結んだことになります。普段は関わり合いが少ないけれども何か価値観や経験の一部を共有する「薄トモ」を数多く作っておくことで、それは数年のうちに新たな何かを生み出す貴重な種となり育っていくのです。

知ってる人はやっている"生み出す会議"の進め方

日ごろ仕事をしていると、どうにも無意味に感じてしまう会議に出会うことがありますね。できればそんな会議は一掃したいですが、文句だけを連ねても解決しません。会議の生産性を高め、何かを"生み出す"効果を発揮する会議の進め方をお伝えします。

f:id:ASHIASHI:20160118211549j:plain

1.拡散→収束のステップを踏む
まずはアイデアを数多く出します。あるいは、決定すべき賛否の理由を数多く挙げます。とにかくスタートは多くの材料をテーブルの上に広げることから始めます。年齢や役職に関係なくお互いがイーブンの立場で意見を出し合うことが、最終的に得られる結論の納得感を高め、それに続く行動が意味あるものに変化します。
そうして十分に拡散したのちに、結論を見出す方向へ絞り込んでいき、収束させていくことを意識します。区切りごとに参加者の合意を確認し、積み重ねていきます。大切なのは安易に前の決定を翻さないこと。一つ一つの小さな決定の積み重ねが大きな意思決定を支え、そこに一本筋の通った論理性を持たせます。

2.戦略→戦術の2段階で考える
イデアを考える際にはまず大きな枠組み、戦略から検討します。目的を達成するために、あるいは課題を解決するためにどの方向に向かってどんなシナリオを描くのか、という俯瞰の議論です。Aという商品を通じて我々は社会にどのようなメッセージを届けたいのか、Aという商品のコンセプトが消費者に伝わった時、世の中はどのように変化するのか、といった少し先の未来を捉えた大きな議論です。
これを十分詰めてメンバー内で意思統一できたら、その戦略を具体的に進める戦術について考えます。Aという商品の認知度を高めるにはどうしたら良いか、Aという商品のある生活イメージをどのように共有するのか等々、実際に何をやるかという行動ベースの話はこの戦術になります。ただし戦略なき戦術は早々に行き詰まってしまうので、戦略→戦術の順序が大切になります。

3.つなげる・捨てる発想から
イデアや考えを形にする時、ゼロから素晴らしいものを生み出すことができれば良いですが、実際それは困難を要しますし、今回できても毎回は難しい、という実感を誰しもお持ちだと思います。そこで大切なのは、アイデアは常に"新規"である必要は無いということです。AとBという普段は交わることの無いもの同士をつなげることで、そのマーケットにおいては新規性の高いサービス、ということも十分にありえます。性質の異なる二つをつなげる、という引き出しを意識するだけでアウトプットの幅が広がります。
また「捨てる」ということも同時にアイデアを研ぎ澄ますことにつながります。誰にも好まれる商品は誰にも好まれない、というジレンマから抜け出すために、機能の一部をあえて使わない・対象を限定する・時間や空間に制限を設けるなど"捨てる"ことで全体を特徴づけ他と異なる差別化を目指すことができます。かの経営学マイケル・ポーターの有名な「競争戦略論」という、企業が他に秀でるための戦略についての要旨は「他と違うことをすること、やらないことを決めること」でした。私たちが日常関わるモノゴトもほぼ同様と考えて良いと思います。

4.今どのへん?と声に出す役割
その会議がいまどの辺りにあるのか"天の声"を誰かが出す、ということです。「今日のゴールはA.B.Cのテーマを決めることでしたね」「いま30分経過しました。今日の議題はあと4つありますよ」「皆さん疲れてきましたか?少しブレイク入れませんか」「ここで今日の議論を一度振り返ってみましょう」「皆さん納得していますか?いま、率直にどんな気持ちですか」「さて、間もなく予定の60分になります。次の予定もそれぞれあるでしょうから、この辺りで一度まとめましょう」など。
会議の際に全員が議論に熱中してしまうと、議論全体を効果的に動かす力がやや失われたり、迷走したりしがちです。メンバーの中の一人が「今どのへん?」とナビゲーションする立場、すなわちファシリテーターの役割を担うことで会議の成果やアウトプットの質を高めることに大きく寄与します。

さて、"生み出す会議"の進め方、いかがでしたか?これから年度末、新年度に向かって何かとまとめの議論を重ねる時期という方も多いと思います、それが有意義な時間となるよう活用してくださると嬉しいです。




■主催セミナー情報
「子どものための自己紹介のコツ」1/23(土)、2/21(日)

■スキルノートのFacebookページ


【実録版】すぐできる・だれでもできるファシリテーション講座

先月に開催したファシリテーション講座の資料を、解説とともに掲載します。私自身としては初めてのプログラムですのでまだ改善の余地は十分にあると思いますが、心がけたことは「過度に詰め込まない」こと。ファシリテーションってこういうモノなんだ、と誰もが理解できれば自然と広がっていきます。そしてファシリテーションを行う人だけでなく、より多くの方が参加者の立場としてファシリテーションの意味を理解することが大切だと思い、公開します。それでは、始まります。 


f:id:ASHIASHI:20151119104724j:plain

 ファシリテーションという言葉は、だいぶ世の中で認知されるようになりました。メディアや仕事を通じて耳にする機会が増えましたね。


f:id:ASHIASHI:20151119104736j:plain

具体的には、どんなイメージですか?何を指して「ファシリテーション」と言うのでしょうか、思い浮かべてみましょう。


f:id:ASHIASHI:20151119104748j:plain

「あらゆる知的活動」をスムーズに進めていくための働きかけをファシリテーションと言います。特定の場面、例えば野外でのワークショップなど限られた機会だけではなく、会議室の数名での会議などでも使える技術です。 人数や場所を問いません。


f:id:ASHIASHI:20151119104755j:plain

ファシリテーションは"Facilitate=促す"という意味から発展した考え方。では、ファシリテーターとは具体的にはどんな役割なのでしょうか?

 

f:id:ASHIASHI:20151119104803j:plain

ファシリテーターの役割には「場の設定」「場の進行」「相互作用」と 大きく3つあります。一つずつ見ていきましょう。


f:id:ASHIASHI:20151119104812j:plain

話すだけがファシリテーションではなく、まずどのような場づくりをするか構想を立てるところから始まります。会場や設備、参加者の人数や構成を考え、効果が最大化する設定を見つけます。

 

f:id:ASHIASHI:20151119104820j:plain

そして、いよいよ進行役として場を動かす役割です。様々なテクニックの前提として、相手にわかりやすく意図を伝えるプレゼン技術をきちんと習得することをお勧めします。

 

f:id:ASHIASHI:20151119104828j:plain

一つの時間をいくつかの場面に分割して、それぞれの狙いを定めて最適な運営方法を実施します。引き出しはたくさんあった方が飽きさせず、相手に合わせて様々な演出ができます。舞台監督のようなイメージで、ひと固まりの時間を楽しく有意義に創り上げることが、最終的に良質なアウトプットにつながります。

 

f:id:ASHIASHI:20151119104836j:plain

相互作用とは、複数の人から生まれる「プラスアルファ」のこと。1+1=3以上を目指せることが、ファシリテーションの醍醐味。細やかに参加者の状態を見つめ、意見を引き出していくための自然で力強い「問い」を投げかけることが大切。

 

f:id:ASHIASHI:20151119104843j:plain

Q&A。どんな印象でしたか? 今回は入り口として全体像を理解することに焦点を絞りました。ファシリテーションの多岐に渡る詳細な技術論はまた別の機会に。


f:id:ASHIASHI:20151119104850j:plain

ファシリテーションは技術論だけでも十分でなく、反面精神論だけでも完成されないものと考えています。双方が交わり強みを発揮して初めて、その場その場に合わせた適切な場作りにつながります。常に主体である「相手=参加者」に寄り添い、力づける気持ちでファシリテーションに臨みたいですね。

 

f:id:ASHIASHI:20151119104859j:plain

一人でも多くの方がファシリテーターを目指し、社会をより良く変えていく力となりますように。そしてより多くの方がファシリテーションの醍醐味を知り、周囲との対話を楽しめますように! 



スキルノートのFacebookページはこちら

https://www.facebook.com/skillnote111

2015年スキルノート・活動の振り返りと次年度に向けて

年の瀬ですね、今年もたいへんお世話になりました。相変わらずサラリーマンとのパラレルキャリアの形態でファシリテーター業を行ってきましたが、今年の活動振り返りを年初の目標9項目に照らして確認してみます。

f:id:ASHIASHI:20151230141417j:plain

1.「自己紹介のコツ」セミナーのバリエーションを増やす
結果:◎
従来のプレゼン技術中心のメニューの他「すぐに通じる話し方のコツ」という話の構成(論理的思考)に重きを置いたプログラムや、教える立場の方向け講座を実施しました。また開催は年明けになりますが、小学生向けの体験型講座「子どものための自己紹介のコツ」をメニュー化することができました。

2.「パラレルキャリア」セミナーの標準メニュー化
結果:◎
2月の武蔵野市主催セミナーへの登壇を機に研究・取材を重ね開催に至り、その後6月飯田橋NPOえん様 主催「えんカレッジ」)、10月府中(府中市女性センター支援講座)と開催の他、12月には武蔵野プレイスのイベントに出展する形で2枚目の名刺を手づくりするワークショップを開催し、標準メニュー化することができました。

3.団体等向け研修 3ヶ所
結果:◎(3ヶ所)
非公開型の人材育成メニューとしての開催は、視覚障害リハビリテーション協会様など3つの組織からご依頼をいただき実施しました。それぞれ構成員向けの学習機会・自己啓発機会としてご活用いただきました。

4.ライターとしてのポジション獲得
結果:◎
年末駆け込みでしたが、「街角のクリエイティブ」のライターとして執筆を開始し、先日第一稿を上梓しました。やはり開かれた媒体で書かせていただくことの反響は大きいですね。2016年は更に注力していきたい部分です。

5.行政以外の組織とのコラボレーション実施
結果:◎(2団体)
女性のエンパワーに取り組むNPOえん様、若者のパラレルキャリア支援に取り組む一般社団法人UP様とそれぞれコラボ企画としてセミナー開催に至りました。それぞれの参加者にとって新たな切り口での学びの機会となったようで、当方にとっても新たな発見や人脈につながる貴重な機会でした。お声掛けをいただき、本当にありがとうございました。

6.公開セミナー10回開催
結果:◎(10回)
行政との連携7回(府中市4回、武蔵野市2回、東京都・ウィメンズプラザ1回)、NPOとの連携2回(上記5)、自主事業1回の計10回の公開セミナーを開催しました。参加者数にそれぞれバラつきがあり、多い時は30名超、少ない時は4〜5名、常に集客は課題です。自主事業は新宿のノマドカフェ「BASE POINT」さんのセミナールームをお借りしましたが快適で割安な会場でした、また実施したいと思います。

7.個人レッスンのメニュー化
結果:×
これは全く実現できませんでした。ご要望はあるはあったのですが、ご希望される内容とこちらが提供できる支援とが一致しませんでした。何らか社会的課題の解決に貢献しながら、個人のスキルアップを目指すこととの接点をうまく見つけることが来年の課題です。

8.多摩地域での繋がりを増やす
結果:◎
主たる活動拠点を府中市武蔵野市など多摩地域に置いており、一層地域との関わりを深めることを目標にしました。具体的には府中NPO・ボランティアセンターさんとの関わりが増え、先方主催の講座にヘルプ要員で加わったり、逆に先方の職員さんが当方のセミナーにご参加いただくなど相互交流が続いています。何と言っても自分の住む地域を一番に考えたいですね。また府中市関連の支援講座を幾つか開催することで広報誌や市のメールニュースでの露出が増え、思いがけず声を掛けられることが増えたのが収穫です。
他にも多摩CBネットワークのシンポジウム参加、tamacomでの取り組み発表プレゼンなど、周辺自治体での地域ネットワークとの関わりを増やしました。それぞれのFacebookグループを利用した発信や交流を通じて、当方の主催セミナーへ参加いただくなど効果的に活用することができました。

9.自ら学び、引き出しを増やす
結果:◎
平均して月に1〜2回、セミナーや講座に参加しました。テーマは男性の育児参加・母と子の問題など家族に関することや、ファシリテーション・IT活用など技術面の学び、あるいは地域を知るウォークラリーなどのイベント等でした。
またファシリテーター相互の交流機会にも参加し、フューチャーセッションなどのハイレベルな取組を知ることができたのは今後の新たな展開につながります。自らの守備範囲より少し広めの情報収集を意識し、今後も継続していきたいと思います。

***

活動の振り返りは以上です。事業と呼ぶにはまだまだお恥ずかしい限りですが、信頼・人脈を少しずつ増やすことができており、支えていただいた皆様に感謝して止みません。2016年度もコミュニケーション、ファシリテーション、多様なキャリア形成、女性活躍推進の分野において出来る限りの取組を形にしていしたいと考えていますので、「ちょっと試しに使ってみようか」とお考えいただけましたらぜひご連絡ください。またこちらからも各種イベントのご案内やコラボレーションのお誘いなど、嫌われない範囲で積極的に情報発信をいたしますので、どうぞ引き続きよろしくお願いします。 

では、2016年が皆様にとって有意義な一年となりますように!

芦沢 壮一(あしざわ そういち)
連絡先: skillnote111@gmail.com

★【フォロー歓迎】日々の情報発信はスキルノートのFacebookページから

WEBメディア「街角のクリエイティブ」寄稿をはじめました

このたびご縁をいただき「街角のクリエイティブ」というWEBメディアに寄稿させていただくことになりました。


より多くの方に文章を読んでもらうことになると、筆に気合が入ります。まずは自己紹介がてら、お恥ずかしながら今に至る経緯を書きました。今後も時折登場します、ご贔屓に。

f:id:ASHIASHI:20151225121731j:plain

お金の正しい使い方がようやくわかってきた

12月の初めに、仕事でつながりのある大学生から一本のメールが届いた。「クラウドファウンディングで森と子どもたちをつなげるプロジェクトの資金集めを始めたのですが、アドバイスをもらえませんか」と。

プロジェクトに必要な金額は約20万円。3週間の期限内に100%以上の寄付を集めないと、寄付は成立しない仕組みだ。僕自身はたいした成功体験は持ち合わせていないし、正直に言うと複数回の失敗体験しか無い。しかしメールの文面とウェブサイトの内容に並々ならぬ強い意志を感じ、全力で応援することを密かに決めた。更にいうと、自らのリベンジを彼女のプロジェクトを成功に導くことで果たせるのでは、という妙なモチベーションも沸いてきたからだ。


ともかく本人には僕が知っている限りの、成立に向けて有効と思える情報を伝え、一方で支援に賛同してくれそうな周囲の人たちに寄付の依頼を呼びかけた。そして素晴らしいことに、3週間の期限を待たずして30名近い賛同者から目標達成となる金額を本日までにいただくことができた。

f:id:ASHIASHI:20151222224247j:plain
(出典:READYFOR?)

仮に私自身の働きかけが無かったとしても、おそらくこのプロジェクトは彼女自身の力で成立していたのだろうと思う。純粋な森に対する、子供たちに対する想いが相手に届いていたし、応援したいと思わせる何かがそこにはあった。

そして僕が良いなぁと思ったことは、寄付に賛同してくれた人たちの応援コメントと、その背景にあるお金への感覚だ。応援しています、共感します、頑張ってねと声をかけると同時に数千円や1万円を支払うという価値観。美味しいものを一晩食べる代わりに、好きな服を一枚手に入れる代わりに、良い事をしようとしている他人を応援しようという優先順位。

それは単なる社会貢献の気持ちや善行への理解というよりは、正しいお金の使い方を知っているということなのだろうと思う。何にお金は使うべきで、何には使うべきでは無いかと見分ける嗅覚。


例えばフェアトレード商品は相対的に価格が割高となる傾向があるが、本来の適正な労働を反映した価格であるのだから、高いと感じさせる社会全体に課題がある、という意見がある。安い方が良い、という価値観はその瞬間はお財布に優しいのだけど、回り回って自分自身の労働の価値を引き下げ、結局社会を壊してしまうことにつながっていく。

正しくお金を使うこと、常に自分の目で判断して適正な価格を支払うことはとても大切で、それは私たち誰もが持っている大きな力だ。なぜなら消費者の力より強い市場原理は無く、それに沿わない事業者は自然と淘汰されていくからだ。

森と子どもたちをつなげるプロジェクトがスタートラインに立ち実現に向かっていくことを心から祝福している。そしてその一端に関わることができたことに感謝し、これからもずっと応援していきたいと思っている。

【満席】2/21(日)「子どものための自己紹介のコツ」

このたび新たに小学生向けプレゼン講座を開催する運びとなりました。子どもの自己表現を引き出すための話し方やプレゼンテーションの技術を、動物のお面を使った「自己紹介」ワークなどを通じて学ぶ講座です。 

昨今、学校教育におきましては参加型の授業形式が徐々に取り入れられていますが、その一方で人前で話す技術を体系的に習得する機会が少なく、十分な学習効果が得られないという側面もあります。本講座がそれらの課題解決に寄与することを願い、また子どもたちが堂々と楽しく人前でお話ができるようになることを目指し実施します。

f:id:ASHIASHI:20151214172001j:plain

プレゼン技術を習得することで授業での発表に自信がつき、ご家庭でのコミュニケーション活性化にもつながります。

▽日時 2月21日(日)午後2時~3時半


▽対象 小学生(保護者1名同伴可)

▽定員 先着10人

▽費用 2,000円(資料代ほか)

▽講師 芦沢壮一(スキルノート 代表・プレゼン技術コーチ)

▽申込み  メールにて保護者氏名、お子さん氏名と学年・性別、緊急連絡先(携帯)をお知らせください。
【宛先】 skillnote111@gmail.com

*本講座は東京都府中市による市民提案型市民活動支援事業として実施します。

f:id:ASHIASHI:20151215082435j:plain