skillnoteのブログ

「スキルで自分らしく」を応援します

お金の正しい使い方がようやくわかってきた

12月の初めに、仕事でつながりのある大学生から一本のメールが届いた。「クラウドファウンディングで森と子どもたちをつなげるプロジェクトの資金集めを始めたのですが、アドバイスをもらえませんか」と。

プロジェクトに必要な金額は約20万円。3週間の期限内に100%以上の寄付を集めないと、寄付は成立しない仕組みだ。僕自身はたいした成功体験は持ち合わせていないし、正直に言うと複数回の失敗体験しか無い。しかしメールの文面とウェブサイトの内容に並々ならぬ強い意志を感じ、全力で応援することを密かに決めた。更にいうと、自らのリベンジを彼女のプロジェクトを成功に導くことで果たせるのでは、という妙なモチベーションも沸いてきたからだ。


ともかく本人には僕が知っている限りの、成立に向けて有効と思える情報を伝え、一方で支援に賛同してくれそうな周囲の人たちに寄付の依頼を呼びかけた。そして素晴らしいことに、3週間の期限を待たずして30名近い賛同者から目標達成となる金額を本日までにいただくことができた。

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(出典:READYFOR?)

仮に私自身の働きかけが無かったとしても、おそらくこのプロジェクトは彼女自身の力で成立していたのだろうと思う。純粋な森に対する、子供たちに対する想いが相手に届いていたし、応援したいと思わせる何かがそこにはあった。

そして僕が良いなぁと思ったことは、寄付に賛同してくれた人たちの応援コメントと、その背景にあるお金への感覚だ。応援しています、共感します、頑張ってねと声をかけると同時に数千円や1万円を支払うという価値観。美味しいものを一晩食べる代わりに、好きな服を一枚手に入れる代わりに、良い事をしようとしている他人を応援しようという優先順位。

それは単なる社会貢献の気持ちや善行への理解というよりは、正しいお金の使い方を知っているということなのだろうと思う。何にお金は使うべきで、何には使うべきでは無いかと見分ける嗅覚。


例えばフェアトレード商品は相対的に価格が割高となる傾向があるが、本来の適正な労働を反映した価格であるのだから、高いと感じさせる社会全体に課題がある、という意見がある。安い方が良い、という価値観はその瞬間はお財布に優しいのだけど、回り回って自分自身の労働の価値を引き下げ、結局社会を壊してしまうことにつながっていく。

正しくお金を使うこと、常に自分の目で判断して適正な価格を支払うことはとても大切で、それは私たち誰もが持っている大きな力だ。なぜなら消費者の力より強い市場原理は無く、それに沿わない事業者は自然と淘汰されていくからだ。

森と子どもたちをつなげるプロジェクトがスタートラインに立ち実現に向かっていくことを心から祝福している。そしてその一端に関わることができたことに感謝し、これからもずっと応援していきたいと思っている。

【満席】2/21(日)「子どものための自己紹介のコツ」

このたび新たに小学生向けプレゼン講座を開催する運びとなりました。子どもの自己表現を引き出すための話し方やプレゼンテーションの技術を、動物のお面を使った「自己紹介」ワークなどを通じて学ぶ講座です。 

昨今、学校教育におきましては参加型の授業形式が徐々に取り入れられていますが、その一方で人前で話す技術を体系的に習得する機会が少なく、十分な学習効果が得られないという側面もあります。本講座がそれらの課題解決に寄与することを願い、また子どもたちが堂々と楽しく人前でお話ができるようになることを目指し実施します。

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プレゼン技術を習得することで授業での発表に自信がつき、ご家庭でのコミュニケーション活性化にもつながります。

▽日時 2月21日(日)午後2時~3時半


▽対象 小学生(保護者1名同伴可)

▽定員 先着10人

▽費用 2,000円(資料代ほか)

▽講師 芦沢壮一(スキルノート 代表・プレゼン技術コーチ)

▽申込み  メールにて保護者氏名、お子さん氏名と学年・性別、緊急連絡先(携帯)をお知らせください。
【宛先】 skillnote111@gmail.com

*本講座は東京都府中市による市民提案型市民活動支援事業として実施します。

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情報アプリやポイントの代わりに差し出しているモノは何か?

ネットの利便性や娯楽性が日々刻々と進展している中で、それを完全に避けて暮らすことはほぼ不可能になりました。ビッグデータ解析による個人の消費動向の掘り起こし、及びマーケティング3.0的な市場の見直しの下、最終消費者である私たちは初めて経験する場面を迎えました。個人情報の扱いやネットリテラシーの重要性を理解しているつもりが、実はその概念や指し示しているもの自体が少し前から大きく変化していることに留意することが必要です。

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*ワーククラウド:出典 Vonvon

個人情報というと過去は個人を特定できる情報、すなわち氏名や住所、電話番号、メールアドレス、顔写真、年齢や勤務先名など、むやみに不特定の他人には知られたくないと直感的に感じるファクターを指していました。依然としてこれらの情報価値は高く、生活の中で適切に取り扱う仕組みはある程度整備されてきましたし、人々の意識も過敏なほどに高まりました。

ネットリテラシーにおいても、数々の"炎上"事例や深刻な事件に発展してしまった数々の出来事をたびたび目にすることを通じて学びを深め、ネット社会で自分自身や家族、あるいは企業体を守るための規範と行動基準がほぼ共通認識として定着しつつあります。ではそれで十分に安全で、何も心配することは無いのでしょうか? 

どうも最近は「他人に知られる可能性のある、個人に関する情報の種類」が圧倒的に増えているように思います。ある人が何時に起きて朝食はどんなメニューで、何時の電車に乗りどこの職場に向かい、ランチに支出する金額はどれくらいで、帰りに立ち寄るお店の種類や、好みのブランドと色・形、関心のある書籍や雑誌・番組や映画などなど。例えばこれらはTポイントカード等のキャッシュバックの仕組みを利用するだけで、ネットワークに提供されているものです。これは単にポイントカードが良い悪いということではなく、数%の還元率を得る代替として、これら自分の個人情報を日々提供しているのだということを意識しているかどうかという、個人情報に対するリテラシーの課題です。

先月末あたりから話題になったFacebook上の通称「ワードクラウド」(どの単語をよく使うか図示するサービス)や、年末恒例の「自分新聞」などは、その娯楽性や得られる情報の代替として、自分の「人間関係」や「指向性」をサービス会社に提供しているという事実を意識した上で利用するかどうか判断するという、これもネットリテラシーの新たな局面を迎えています。

やみくもに全てが危険と遠ざけてはイノベーションの扉は開きませんが、しかし「今はとても不安定な状況にあり、反射的でなく立ち止まり判断する」ということを個人の自己防衛策として認識しておきたいものと考えます。

*参考記事

*セミナー開催情報

*スキルノートのFacebookページ

剛腕型リーダーよりファシリテーション型リーダーが受け入れられる理由

チームを束ねる立場にある人がどのようなリーダーシップを発揮することが、その組織のパフォーマンスを有効に高めることができるのでしょうか。どうも最近の事例を見ていると、カリスマ性を持ち自身の能力も高く俺について来い的な「剛腕型リーダー」よりも、メンバーとの対話を重視しムード作りに手間をかけしなやかに組織を動かす「ファシリテーション型リーダー」の評価が高まっているように感じています。

旧来より存在してきた「剛腕型リーダー」は、その時代時代において必要とされる瞬間がありました。国の統治システムが変わるとか、戦乱からの復興とか、そんな大きな変動期には歴史に名を残すようなカリスマリーダーの下、人々はそこに身を委ね安心を得、社会は結束して成長や安定することを目指しました。

しかし昨今、特に日本において社会は円熟期・安定期を経て、人口減少および経済規模の緩やかな縮小に向かう中で、日々の生活をいかに工夫して維持するのか、また価値の見直しと共にどのような持続的な社会を再構築するのかという局面に変わりました。それは大きな社会だけでなく個々の企業や小さな組織においても同様に接している光景です。その変化と共にいつしか剛腕型リーダーはどこの組織でも敬遠されてしまうようになりました。

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価値を見直していくような非定型的な場面では、何よりもそこに参加している全ての人々がどのように感じているのか、また今後どうしていきたいのかという意思の一つ一つに大切な意味があります。誰かがズバッと決めてこうしましょう、では拾いきれない多様なニーズや考え方があるのが現在の社会の姿です。子育ての課題、生活困窮、労働の諸問題などなど、多岐にわたる分野それぞれにおいて異なる実態と要因があります。ですからそれらの解決には何よりも当事者である自分自身が関わっていくことが必要になりますし、近い境遇の人たちが集まり意見を交わし、見落としている何かを見つけることが問題を解決するために有効な手段となります。

自然、それらの人々が口を開きやすい場づくりが大切となり、偏りのない議論をフェアに進めるスキルの価値が高まります。参加者が自分ごととして課題を位置づけ、自分も解決策の一端を担う気持ちと役割を持つことを支援する役割、つまりこれらはファシリテーションの技術そのものであり、旧来型のカリスマ剛腕型リーダーとは役割を異にする能力が求められることとなったのです。

と、ここまで書いてFacebookを眺めていると似たような記事を見つけました。


おおよそ、お伝えしたいことは共通しています。文中の「サーバントリーダーシップ」というのは周辺環境を整える支援型のリーダーという位置付けですが、ファシリテーター型リーダーは相手を信頼し引き出すことに全ての力を集中させる役割であり、より能動的に関わるイメージと捉えていただきたいと思います。

ファシリテーションは会議やワークショップ進行などの単に独立したコミュニケーションスキルに限定されるものでは決してありません。このように新たな局面を迎えた社会におけるリーダーシップの次なる姿そのものとしてファシリテーターが認知され、イノベーションを果たす役割を積極的に担う人々が増えてくることを、その立場を目指す一人として期待しています。

参加するなら無料セミナーより有料セミナーを優先すべき理由

結論を先に言うと、受講者として習得効果が高いのは圧倒的に「有料」セミナーだということ。

無料だと主催者が手を抜いているとか、有料の講師の方が伝えるノウハウの質が高いとか、そういうことではない。「有料」の時は受講者側の心のありようと、それに伴う行動が無料のそれとはまったく違ってくるからだ。

【有料セミナーに参加する時の気持ち】
・2時間5千円(あくまで一例)はそこそこの値段だ、きっと何かためになる情報があるに違いない。
・仕事を定時で退社して参加、家族にも同意を得た。他のことを後回しにしても今日は自らが学ぶことを優先したい。
・セミナーで退屈な時間があったとしても、どこかに有益な情報があるだろうから最後まで集中しよう。
・せっかくお金を払ったのだから、講師や周囲の人たちと名刺交換して、SNSでも繋がって、セミナー後も価値のあるお付き合いにしたい。
・(ましてや受講料前払いなら)絶対に休まない、何があっても参加する!

と、このような気持ちに誰しもなるはず。「自分の意思で時間とお金を使ったこと」に価値を見出したいと思えば、自然と集中して話を聴くし、ネットワークを広げようと積極的なコミュニケーションをとるし、セミナー参加後の展開も違ってくる。したがって明確に、セミナー参加の「before-after」で行動に変化が出てくる。

そして何より、有料セミナーに参加している他の受講者も同じ気持ちでいることが大きい。初対面の隣の人に声を掛けると、そもそもコミュニケーションの窓が開いているので表面だけでなく本質に迫る話ができるし、形だけの名刺交換で終わらないという期待感がある。

【無料セミナーに参加する時の気持ち】
・無料だし、時間があるのでとりあえず申し込んでみた。
・他に優先する予定ができたらキャンセルしよう。
・今日は仕事が忙しくて疲れたから、参加はやめよう。
・参加したけど、つまらなかったら早く退席しよう。
・講師も受講者もイマイチに見えるので、今日は無駄だったかも。

無料のセミナーが全てそうではないけれど、こういうことになり易いのも事実。結果、限られた時間を無駄にしてしまうこともあり、何より次の行動や成果に反映し辛い。

逆にセミナーを主催する立場としては正直、有料セミナーの方が圧倒的に気合が入るし、きめ細やかな対応ができる。無料の時は必ず何らかの理由があり、それは地域への還元だったり、純粋なボランティア精神だったり、次への告知目的だったりする。

講師としては無料セミナーであれば、受講者の期待値がそれほど高くなく、気楽にできる面はあるので、特に活動の初期に経験を積みたい時期には必要なプロセスかもしれない。しかしそれを過ぎたら、無意味な無料というのは、受講者にその機会の価値を伝える手段を一つ放棄したことになる。

貴重な受講料をいただいている場合は、それに全力で応えようと、自身が目指すハードルが一気に高まる。この時間が有意義でなければ許さないぞ!という参加者の目線がより厳しいものになる。その適度なプレッシャーこそが、より質の高い時間を提供する原動力となるのだ。


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仕事が嫌いだ、という感情は隠さない方が良い変化は生まれる

就活であれだけ内定を望んだカイシャなのに、そして念願叶っていままさにそこで働いているのに、お休み明けの月曜日がユウウツだ。カイシャが嫌だなと思ったことも一度や二度ではないし、正直いうと仕事が嫌いだ!

と、感じる人は決して少なくないはずだ。僕は、その感情を無理に心の内に隠す必要はない、と感じている。なぜなら、「仕事が嫌いだ」という感情は新たな何かを生み出す大きな原動力になるからだ。

仕事が嫌いだというその背景や原因は人それぞれだが、「自社のビジネスモデルがどうしても許せない!辞めてやる!」という人は稀だろう。たぶん仕事が嫌いだという理由の大半は、目の前の小さな人間関係とか、長年のマンネリから隣の芝生が輝いて見えるとか、ブラック企業が散々問題視されてるのに相変わらず残業体質の職場とか、そういう「些細な」ことなのだ。

仕事が嫌いだという状況を解決するには極論、環境を変えるか、相手を変えるか、自分が変わるか、その3つしかない。だから、そのどれかを自分で選択すれば良い。選択せずに一人でブツブツと文句を言い続ける、というのも4番目の選択肢にあるが、それは問題解決には向かわない。

転職か、説得か、自己革新か。「仕事が嫌いだ!」と公言することで、そのどれかを選ばなければならない状況になる。まずは「先送り」から脱出することができる。これが一つ目の良い変化。

そして、転職なり説得なり自己革新なり、どれかに向かって動き出す時の気持ちを想像してみて欲しい。きっと、自分の過去を棚卸しして、今の環境を分析して、真の問題点を見つけ、その解決策をひねり出すという共通のプロセスを進んでいくはずだ。それは未来志向で、生産的で、魅力的な時間に違いない。

そうやって、仕事が嫌いだ!という一見ネガティブな感情をオモテに表すことが、具体的な行動に変わっていく。何も言わずにグッと我慢して、アクションしない選択を続けるのと、どちらに望むゴールがあるのかはもはや明確だ。

だから、もし仕事が嫌いだ!と心の底から感じているのならば、まずは信頼できる一人の親友に、そっとつぶやいてみて欲しい。そしてもし自分が相談される立場に立ったならば、ただ頷いて聞いてみて欲しい。きっとごく自然に、心の奥から次にやるべきことが湧き出てくるはずだ。そして、数十分前とは全く違う、具体的に何かを見定めた、晴れやかな気分になっていることだろう。


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ファシリテーション講座を作成中です

ファシリテーション講座を開催して欲しい、と長年仕事を共にしている人から、先日嬉しいご依頼をいただきました。私自身は面と向かったセミナースタイルを活動の軸にしているので、日ごろファシリテーションを様々な場面で行ってきましたし、また自分自身をファシリテーターの一員であるとも思っています。

ただ、これまではそのスキルを体系化しようというモチベーションがなかなか成熟することはありませんでした。書店に行けば思いのほかたくさんのファシリテーション指南書が並んでいるし、またファシリテーター養成講座なるものも、探せば誰でも受講することができますので、まあいいかなと。

しかしその一方で、自分自身が学ぶ立場としてそれらの書籍や講座を読んだり受けたりするたびに、肩透かしを喰らってきたことも数多くあり、もっと本質に迫るものができないものか、よりシンプルで実践性の高いプログラムは実現できないものかと、遠い目標にしていたことも事実です。

実践者の一人として日々感じていることは、ファシリテーションは方法論でもなければ思想でもない、ということです。あるやり方さえ忠実になぞれば自動的に場が活性化するものではないですし、スタイルにのめり込み自己陶酔的にファシリテーションを行うことでは期待したアウトプットには至りません。同じ場面が二度現れることは無いにも関わらず、コアとなるスキルは確実に存在するという、何とも暗黙知的な姿だと、私はファシリテーションを行うたびに感じてきました。

そんなことを考えながら本日、講座のアウトラインを組み上げることが出来ました。これから検証を重ね、来月中旬のお披露目に向けて内容を研ぎ澄ませていきたいと思います。今回はクローズドの開催になりますが、いずれは公開セミナーとしてご案内できればと思います。

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