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剛腕型リーダーよりファシリテーション型リーダーが受け入れられる理由

チームを束ねる立場にある人がどのようなリーダーシップを発揮することが、その組織のパフォーマンスを有効に高めることができるのでしょうか。どうも最近の事例を見ていると、カリスマ性を持ち自身の能力も高く俺について来い的な「剛腕型リーダー」よりも、メンバーとの対話を重視しムード作りに手間をかけしなやかに組織を動かす「ファシリテーション型リーダー」の評価が高まっているように感じています。

旧来より存在してきた「剛腕型リーダー」は、その時代時代において必要とされる瞬間がありました。国の統治システムが変わるとか、戦乱からの復興とか、そんな大きな変動期には歴史に名を残すようなカリスマリーダーの下、人々はそこに身を委ね安心を得、社会は結束して成長や安定することを目指しました。

しかし昨今、特に日本において社会は円熟期・安定期を経て、人口減少および経済規模の緩やかな縮小に向かう中で、日々の生活をいかに工夫して維持するのか、また価値の見直しと共にどのような持続的な社会を再構築するのかという局面に変わりました。それは大きな社会だけでなく個々の企業や小さな組織においても同様に接している光景です。その変化と共にいつしか剛腕型リーダーはどこの組織でも敬遠されてしまうようになりました。

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価値を見直していくような非定型的な場面では、何よりもそこに参加している全ての人々がどのように感じているのか、また今後どうしていきたいのかという意思の一つ一つに大切な意味があります。誰かがズバッと決めてこうしましょう、では拾いきれない多様なニーズや考え方があるのが現在の社会の姿です。子育ての課題、生活困窮、労働の諸問題などなど、多岐にわたる分野それぞれにおいて異なる実態と要因があります。ですからそれらの解決には何よりも当事者である自分自身が関わっていくことが必要になりますし、近い境遇の人たちが集まり意見を交わし、見落としている何かを見つけることが問題を解決するために有効な手段となります。

自然、それらの人々が口を開きやすい場づくりが大切となり、偏りのない議論をフェアに進めるスキルの価値が高まります。参加者が自分ごととして課題を位置づけ、自分も解決策の一端を担う気持ちと役割を持つことを支援する役割、つまりこれらはファシリテーションの技術そのものであり、旧来型のカリスマ剛腕型リーダーとは役割を異にする能力が求められることとなったのです。

と、ここまで書いてFacebookを眺めていると似たような記事を見つけました。


おおよそ、お伝えしたいことは共通しています。文中の「サーバントリーダーシップ」というのは周辺環境を整える支援型のリーダーという位置付けですが、ファシリテーター型リーダーは相手を信頼し引き出すことに全ての力を集中させる役割であり、より能動的に関わるイメージと捉えていただきたいと思います。

ファシリテーションは会議やワークショップ進行などの単に独立したコミュニケーションスキルに限定されるものでは決してありません。このように新たな局面を迎えた社会におけるリーダーシップの次なる姿そのものとしてファシリテーターが認知され、イノベーションを果たす役割を積極的に担う人々が増えてくることを、その立場を目指す一人として期待しています。