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skillnoteのブログ

プレゼン技術、多様な働き方、パラレルキャリア

「就職人気ランキング」上位企業は「有給休暇取得率ランキング」圏外ばかりが物語ること

ここに2つの、対照的な企業ランキングがあります。企業に対する大学生からの、やや複雑に絡み合った視線が見えてきそうなので、少し掘り下げてみました。 

1.就活人気トップ10は全て銀行・保険 これでこの国は成長するのだろうか(ライフネット生命・出口社長) -Diamond online 
http://diamond.jp/articles/-/32816
 
2.最新「有給休暇取得率」トップ300 -東洋経済online
http://toyokeizai.net/articles/-/13114

上記1.に見られるように、日経新聞による就職活動中の大学生を対象とした就職人気ランキングトップ10はすべて「銀行・保険」で占められていました。「これでこの国は成長するのだろうか」、出口さんの言葉に何となく同意するものがありますがとりあえず横に置いておいて、さてその上位10社が上記2.の有給休暇取得率ランキングでどこに位置しているか探してみました。

*取得率は2009~2011年度の平均値

 ・154位 第一生命(取得率 65.9%)

 ・162位 みずほフィナンシャルグループ (同 58.2%)

 ・273位 三井住友フィナンシャルグループ(同 57.2%)

うーん、見事に対照的な結果に。ちなみにこの3社以外の就職人気ランキング上位トップ10にある7社は、有給休暇取得率ランキングでは300位圏外となっています。なお全体のトップはホンダで102.4%(前年度繰越分の休暇も取得し単年度の付与日数を上回っているため100%超)、40位までが80%を上回っています。また全体の傾向として有給休暇取得率は製造業の方が高く、非製造業が低くなっています。これは一般的に工場を持つ企業は祝日を勤務日とする代わりに、有給休暇を分散取得するケースがある為と考えられます。しかしながらそうはいっても80%を超えていたり、ましてや100%前後の企業というのは「手なり」ではなし得ない高取得率だと言えます。

 

さて考えたいのは、就職活動人気ランキング上位の金融・保険会社が、軒並み有給休暇消化率が低位であることが何を示しているのか、ということです。世の中には企業の位置づけを示す様々な指標・ランキングがありますが、その中でも有給休暇取得率というのは「労働環境」「企業風土」「ワークライフバランス」を推し量ることのできるダイレクトな指標です。有給休暇取得率が高い、ということは恐らく残業時間数も少ないでしょうし、シフト勤務や育児休暇など他の人事制度も充実し活用されやすい環境にあるだろうと推測できます。そして有給休暇取得率が低いということはその逆で、退社時刻が遅い、土日勤務もありうる、有給休暇どころか他の制度休もとりづらい実情にある、ということは十分にありうるのではないかとも思います。

 

ここで言いたいのは、有給休暇取得率の低い会社はダメ!という単純な話ではなくて、例えば就職活動中の大学生が企業選びをする際に、自分の人生や価値観の何に重きを置いてジャッジをするのか、その「軸」が大切ではないか、ということです。金融・保険会社が就職活動人気ランキングの上位に支持されている理由は「安定感」云々とコメントされますが、つまるところ給与水準が相対的に高いことが大きな理由でもあるはずです。ですからこれから働く就活生の皆さんがこういった業種を志して、かつゆとりある勤務形態を望み、休暇を十二分に有効活用して仕事以外の何かに打ち込もうとしても、「有給休暇取得率ランキングの事実」が示す通り現実的には障壁があり、実現するには相当の覚悟と忍耐が必要となる、ということになります。

 

反対の側面から、そもそも給与の額はどのように決まるのか?という側面から考えてみましょう。シンプルな論理として「事業に必要な十分の数の従業員を雇用できるだけの魅力的な金額」を提示すると、それに納得した求職者が現れます。危険を伴う仕事や廃棄物に関する仕事などは一定以上の処遇でないと従事者が確保できないため、例えば市町村が委託している家庭ゴミの収集業の平均年収は約800万円と高額になっています。事務系の業種も基本的には同じで、給与水準が高いということは、その高い水準でないと必要とする人員が確保し辛い、つまり仕事がキツイという極々単純な図式です。(ブラック企業でなくても、負担や負荷の少ない社員に高給を支払う動機がありませんね)


今でこそホワイトカラーの代表のようなイメージの金融業界ですが、現実は人々の多額の財産を預かったり運用したり、あるいは生命や損害の補償をしたりといういわば剥き出しの、顧客に対して失敗の許され辛いストレス度合いの高い仕事です。そのため結果として従業員に多少の無理がかかることは往々にしてありえますし、その一面が有給休暇取得率にも現れているのではないか、と思います。


職業に貴賎無しですし、そして働き方・生き方を決めるのも自分次第です。内定を得ることに焦る前に、少し立ち止まって本質的な自分の求めている価値観や将来の姿に、真摯に向き合う時間が大切ではないかと思います。


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