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僕たちは「働くこと」に何を求めているのか?

僕たちは「働くこと」に何を求めているのでしょうか。「働くこと」を取りまくあらゆる面で、これまで長らく揺らぐことのなかった何かが変わりはじめているということなんだろうと思います。


「かせぎ」と「しごと」を分ける意味

「若者の3割、できれば働きたくない」(一部有料記事)日本経済新聞

この感覚を一概に「けしからん」という結論としてしまうと大切なことを見逃します。
というのもこの質問と回答自体、「labor(かせぎ=ライスワーク)」と「work(しごと=ライフワーク)」がごっちゃになっているので、それらを分けて考えることが重要です。誰しも生きるために収入は必要で、そのためのlaborがある。かたやworkは自分が社会で果たす役割であって、必ずしもlaborとイコールでのものではない。
「できれば働きたくない」というのは「生きるために自ら動くことなく収入を得られるならそうしたい」ということであって、それはある面で理解できる感情です。またそれは「社会と関わり、そこで自分の役割を見出し貢献し、やりがいを得て生きていく」というworkの本質を否定することには何ら繋がらないのです。
laborに対する感情に惑わされず、しっかりとworkで何をしたいのか、向き合っていきたいものですし、今就職活動中の学生さんにも考えて欲しいと思います。(もちろん、laborを軽視して良いということでもありません。貧困はあらゆる社会課題の根幹に存在しています。)


仕事観の変化


とても共感できることが多い記事です。できることならこの中で語られている「年代ごとにありたい姿」について、常に一つ上の年代を意識していきたいと感じました。
このように「働くこと」を客観視することは様々な気づきを与えてくれます。しかし、とかく仕事が順調で楽しい時はそのことに目を向けないもので、後から問題が発生して初めて、あの時こうしていたらとようやく振り返りの大切さに気づきます。
幸いweb社会は多くの他人の考えや経験を自分のものとして取り入れることができます。それをリアルの人生において具体的に活かせると、後悔でなく納得の日々が少しずつ増えていくように思います。
でも、そもそも仕事のキャリアにおける「成功」「失敗」なんて些細なことで、日々を家族と共に健やかに過ごせることの方が大切だよな、とも私個人としては思っています。(そのために仕事とどう向き合うか、という順番ですね。)


自律的なキャリア形成とは


いわゆる日本的な大企業というのは、建前上は全社員の機会平等主義のため等しく苦労しなさいという意味で短期のジョブローテーションがあり、成果測定に関しては目標管理制度を導入してはいるものの評価結果として社員間の差別化は極力行わない、というのが実態だと思います。
その流れに身を任せたキャリア形成を行ってしまうと「役職名=能力の裏付け」と本人は誤解してしまい、結果として何ら市場価値のある専門性は身につかないことになってしまいがちです。「勝ち残った」マネジメント職に至っても、プロフェッショナルとしてのマネジメントスキルを高め有する人というのはごくごく少数です。
それゆえ「パラレルキャリア」を企業人が経験することで、初めて自身の実力や市場価値を企業名や肩書きを外して客観的に認識することができるようになるものと感じていますし、そのあり方に対する社会の評価は今後高まっていくものと考えます。


出世しないという選択


出世できないということを逆に前向きに捉えてみます。マネジメント職を登り詰めていくことが唯一の社内キャリアアップ、という仕組みの日本企業やそのような価値観の社員は多いと思いますが、それは働き方として非常に偏っていると感じます。
自ら「出世しない道」を選択することで得られる時間と余力を、自らが生み出すサードプレイスやパラレルキャリアに配分することで、また一つの違う充実を得ることも可能だからです。
というのも、サラリーマンの地位保障は、どんなに実績があろうとも会社都合が全て。仕事上の役割に固執せざるを得ない働き方や労働観には、そもそも無理があるように思います。やりがい搾取という言葉がありますが、本人は好きで仕事をしているつもりでも無意識にそのような状態、過度なやりがい依存に陥っている人は非常に多いと感じます。
そのような人は会社のキャリアの終わりとともに急激に「しぼんで」しまい、60歳代以降の居場所を見つけられず精神的にどんどん年老いていくことになります。自分の能力を恒久的に発揮する働き方を望むのであれば、自らの力で組織の外にそのポジションを見つけるしかないですし、それは誰しも十分に可能なことなのです。要はいつそのことに気付き、最初の一歩を始めるかどうかです。



さて、私たちはこれから「働くこと」に何を求めていくのでしょうか。あるいは、何を求められていくのでしょうか。少なくとも、組織の流れに身を任せ、のままでは少し危ういように感じます。働く人々が自分の頭で自分のことを考える必要のある、そんな時代ですね。





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