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〔web講座〕「LIFE SHIFT」で実現する人生100年時代のキャリアづくり

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スキルノートの芦沢です。普段活動の拠点の一つにしている「武蔵野プレイス」という学習施設があります。武蔵野市生涯学習推進の中心地でもあり、図書館があり、音楽スタジオもあったり、中高生のための自習スペースもゆったり完備しているような、多世代のための多様な学びの場です。

 

このたびは学習施設のご担当者からお声かけいただき、こちらの講座を開催しました。定員の3倍近くのお申し込みがあり、最終的には24名のご参加をいただき実施しました。

お越しいただけなかった方も多数いらっしゃるので、当日のコンテンツ紹介と参加者の皆さんの様子を合わせて、web上で講座を再現していきたいと思います。開催にあたっては行政の皆さんに多大なご支援をいただき、また出版元の東洋経済新報社からも正式に開催の許諾をいただきました、ありがとうございます。

 

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開催は金曜日の19:00〜でしたので、大半の方は勤務のお仕事を終えて駆けつけた、という様子でした。都内からだと18時前後には退社しないと間に合わないでしょうから、タイムマネジメント出来ていらっしゃる方々、ということになるかと思います。

 

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ちなみに、この講座のチラシの案内文には次のようなメッセージを添えていました。

 

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長寿化による人生100年時代がやって来ました。「教育→仕事→老後」というこれまでのステージではその長い時間を十分に満たすことは難しいと言われていますが、では私たちはどのように働き、生きていけばよいのでしょうか。著作「LIFE SHIFT」の内容を皆さんでたどりながら、地域に根ざして豊かな日々を暮らす方法について考え、人生100年時代におけるキャリアづくりのヒントを見つけます。

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この文章のどこかに共感いただき、金曜夜の過ごし方として優先順位を上げてお越しいただいた皆さん、ということになります。なので、自然と良い場になっていく予感がします。

 

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前半は「LIFE SHIFT」のエッセンスをインプットし、後半は自分自身からのアウトプットの切り口を探すワーク、という2段構成です。

まずは本の背景から。2016年11月出版ですから、もう2年以上前なのですね。「人生100年時代」というコピーを聞かない日が無いくらい、ボディメッセージは浸透しました。

 

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ご参加の皆さんで、この本のこんなところに関心を持ったよ、とか今日はこんな気持ちで参加したよ、などの意見交換を含めた自己紹介。それぞれ立場役割は違えど、関心ごとが同じ方向にあるので、信頼感のある空間が生まれます。

 

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著者のリンダ・グラットン氏は日本語版の冒頭に、長寿化社会を迎えている日本の私たちに向かってメッセージを書いています。かつて東京大学総長を務めた小宮山宏氏も言っていたように、日本の社会構造というのは世界のトレンドの少し先の姿を現しているので、課題を先取りしているのだということ。いずれ世界の国々が直面する「人生100年時代の課題」に私たちはいち早く向き合っている、ということです。

 

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今起きている社会変化を大きく2つの切り口で理解していきます。まずは「マルチステージ化」。これまでは「教育→仕事→老後」という3つのステージでそれぞれの役割を果たすことで十分に充実した生活や、満足度の高い生き方を実現することができていました。

それが長寿化によりそれぞれのステージは独立したものではなく、シームレス(境目のないもの)になっていきます。学びと稼ぎと暮らしと人のつながりとが、幼少期から高齢世代まで、常に隣り合う課題になるのです。例えば世の中で実際に始まっている「主体的対話的で深い学び」という教育のあり方や、「複業」という働き方なども、その一つの表れという理解ができます。

いきなり深い話になりましたが、この本には本当に大切なことが書かれていますね。全400ページ、一人で読みこなすのはなかなか難しいので、今回のようなエッセンスを学ぶ機会を設けるに至りました。そして2つ目の切り口はこちら。

 

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マルチステージを有意義に過ごすために必要な「無形資産」という考え方の提示です。それらは一体何でしょうか。

 

1.生産性資産

生きていくための稼ぎを得るのに必要な、知識やスキル・仲間・評判のことです。これまでと違うのが、それらを属している組織に委ねるのでなく、いち個人として保有し続けられるもの、という点です。

 

2.活力資産

元気な状態を維持し、健康寿命を延ばす要素です。心身の健康はもとより、それを支える規則的な生活、そして日々のストレスコントロール。長く生きるということは、毎日を気持ちよく過ごすことの価値が高まります。

 

3.変身資産

これから直面する変化を受け止める柔軟性のことです。それに有効なのは自分自身が過去の価値観に囚われないオープンな心持ちであることと、自分と同質な人たちばかりと過ごすのではなく、多様な価値観を持ち行動をしている人々とのネットワークに常に触れていることが大切です。

 

なるほど、一つ一つを理解すると確かに必要なものだなぁと感じますね。そしてそれらは一朝一夕に得られるものではない、ある程度の時間をかけてライフスタイルとして定着するもの、というイメージがあります。

 

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変身資産のなかに「多様性に富んだネットワーク」という要素があり、それを象徴的に表した考え方の紹介です。「弱い紐帯の強さ理論」という、普段つながりの人からある日ふっと有益な情報がもたらされることがありますよ、というもの。親しい仲間というのは考えていることやニュースソースが似通っているので、新たな気づきは構造上得にくいようです。何となく、それぞれに思い当たるご経験があるのではないでしょうか。

 

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当日の講座では「無形資産チェックシート」を使って、いま自分が持っているものとこれから得て行きたいもの、足りないと感じることなどを書き出します。

ペンがサラサラと進む方と、じっとワークシートを見つめて考え込む方と、人それぞれ。しかし、その「人それぞれ」こそが人生100年時代の生き方に大切なことなので、それで良いのです。他人と比べない、レールに乗ろうとしない、自分軸が中心の考え方整理と行動です。

 

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書いたことをグループでシェアします。体力には自信があって毎日走っているよとか、地域や趣味の集まりによく顔を出しているよとか、皆さん人それぞれ状況は異なります。それで良いのです。

 

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さて、ここまでお伝えしてきた社会変化が起きると、考え方が変わっていくものがあります。一つはアイデンティティ、つまり「私は何者である」という、自己認識に対する納得感です。かつて高度経済成長から経済拡大一辺倒の時代には、その役割を果たしている企業の一員であることが社会に役立っている実感そのもので、そういう自分を自己肯定しながら仕事の役割にアイデンティティを得ていた方が多かったはずです。

今は、その時代は過ぎ去りました。属している組織は常に流動的で、そこに自分が身を置くことがアイデンティティとはなり得ないのです。ひとりの個人として、自分は何者でどんな期待役割を見出し、社会に生きるのかを自分で定義していく、それが人生100年時代の生き方なのです。その意味で、これまでは「リスク」として変化を遠ざけていたことが、今は逆に「変化しないリスク」に転換し始めていますね、ということです。

 

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「LIFE SHIFT」にはそのような新しい時代の生き方として幾つかのモデルが示されています。

エクスプローラー:探検家。世界を自由に動き回る生き方。

・インディペンデント プロデューサー:起業家、生産活動、アイデアの具現化。生み出す人です。

ポートフォリオ ワーカー:複業家。複数の本業を持つ生き方。パラレルキャリア。

 

形や名称にこだわるのではなく、自分自身の価値観を定めた上で働き方・生き方を再構築した時に、もしかするとこのようなモデルの一つに近づいているかもしれないし、その人固有のスタイルに落ち着いているかもしれません。「形を追う」ことは無意味なので、盲目的に目指すロールモデルではないですよ、と解説。

 

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関連書籍を幾つかのお持ちしましたが、公式なものだけでもマンガ版や特集のマガジンなどあります。前作「WORK SHIFT」も余裕があれば目を通したい一冊ですね。

 

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おおよそ、講座の前半で本のエッセンスはご理解いただけたと思います。後半は自分自身の行動について具体化していくのですが、その上でまず理解しておきたいことがあります。

一つは、時間の使い方が変わります、ということ。単に労働することの価値は相対的に低下していきます。そうですよね、既に様々なIoTやAI、ロボットなど技術改善が進み、生身の人間の果たす役割は変化しています。

そこで、いかに労働を効率化し余暇の時間を増やすかということ。誤解していけないのは、余暇というのは休憩や娯楽だけで費やすのではなく、「自己投資」や「生産活動」の時間として、それぞれの人生100年時代のキャリアを築く時間になります。

 

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また、自己投資や学習においての留意点として、決して学ぶこと一辺倒にならないこと。学ぶことは大切で必要ですがただ学び続けること、 インプットをし続けてアウトプットに至らないことはもったいないですよ、という話です。

順番を間違えやすいのですが、 まず先にアウトプットをしてから、 不足している知識やスキルまたは相手(顧客) のニーズを肌で感じることで、 真に必要なインプットが何かを知り、質を高めることができます。 「アウトプット→インプット」の順番と繰り返しが大事です。「 十分にインプットしてからアウトプットしよう」 では上手くいかないですよ、ということです。

実際、 何らかの事業を生み出している方々に聞くと、 ほぼ例外なく皆さんおっしゃいます、そんな話題のご紹介でした。

 

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続いては自己分析ワークシートを使って、自身の好きなこと、得意なこと、他の人と違うこと、挑戦してみたいこと、の4つを棚卸しします。皆さん、これまでの講座でこの取り組みの意味をよくご理解いただいているのか、止まることなく数多くの「自己分析」があふれてきます。そう、他人の視線を気にせずに自分として大切にしていることを、単語として形にすることは自律的キャリアの第一歩につながります。

 

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書き終えたら小グループでシェア。その際にはきっと、自分が思っていた特徴とは違う部分で相手から大きな反応をいただくポイントがあります。それこそが、自分の意識していない「強み」であり、期待役割につながるヒントです。

一般的には「得意なこと」を伝えがちですが、4つの区分で最も大切なのは「他の人と違うこと」です。そこに、新たなアイデンティティの種が含まれていることがあるからです。

 

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そしていよいよ、自分で肩書きと役割を考え「手づくり名刺」を作っていきます。直前の自己分析ワークや、前半の講座内容を手掛かりに自由に設定します。イメージをイラストに表現してもいいですし、本名でなく活動名を設定したり、屋号を決めている方もいらっしゃいます。

相手に伝わるようにシンプルに、そして想いを込めてカラフルに。24人それぞれの名刺が徐々に出来上がっていきます。静かな作業時間ですが、どこかワクワクしているエネルギーが、部屋いっぱいに広がっていきます。

 

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手づくり名刺を5〜10枚完成させたら、すぐに名刺交換の時間です。たった今創った自分の新たな役割は、人生100年時代のアイデンティティにつながる、何よりも自分がワクワクすること。さあ、会場内を自由に歩き回りましょう!

 

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はじめましてから、あっと言う間にお互いの名刺に書かれたユニークな肩書きに歓声が上がります。面白いですね、どこでやってるのですか、お幾らでサービスを受けられるのですか、などなど。

 

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名刺を受け取る側が肝心で、しっかりと相手の意図を受け止め、想像力が広がるように質問していきます。面白いなと思う気持ちを伝えたり、もっとこうすると伝わるよ、などアドバイスしたり。

 

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会場全体に、興奮が広がっていきます。普段の名刺交換でこんなに盛り上がることってあるでしょうか? ないですよね。それは何故か。この名刺は、与えられた役割ではなくて、自らの手で自分自身や相手(顧客)のことを考えてゼロから生み出したものだからです。気持ちの「乗り方」が違います。

 

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「手づくり名刺を交換して、どんな気分ですか?」

皆さんに問いかけるとそれぞれの言葉で、人生100年時代のキャリアづくりにつながる何かを見つけた、という気持ちの高まりを表現してくださいます。ずっとこの時間を続けたい、なんていう声も。

 

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最後にお伝えしたメッセージは「助走期間は長すぎない方がいい。」ということ。例えば陸上競技走り幅跳びという競技があります。あの助走距離って何メートルくらいだと思いますか? 選手により異なりますが、おおよそ25〜30mくらいのようです。では、皆さんがスタートラインに立っているとして、その助走距離が500mあったとしたらどう思いますか? (会場から笑い・どよめき)

そうですよね、とても走る気持ちが起きないですし、実際に走り始めてみてもなかなか踏み切る地点にたどり着けず、きっと途中でヘトヘトに疲れ果ててしまいますよね。私たちのキャリアづくりも同じだと考えています。やってみよう、行動してみようと思った瞬間のエネルギーが冷めないうちに、助走を始めてすぐに踏み切ると、きっと小さな何かか形となり次への一歩につながっていくのだろうと思います。

 

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今日の講座コンテンツは以上です。皆さんの取り組みを、これからも応援していきますね。

会場の「武蔵野プレイス」は曲線を活かしたユニークな作りで、そこで提供されている講座も多岐にわたります。もしJR中央線武蔵境駅までお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。

 

3月末は年度の区切りという方も多く、こんな講座も予定しています。皆様にまたお会いできる機会を楽しみにしています。

【3/30 土】計画する日 〜目指す生き方・働き方を実現するVision設定〜

https://kokucheese.com/event/index/555982/

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