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複業はやりがいだけでなく、提供価値に見合った対価を得ることに意味がある

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スキルノートの芦沢です。今日は、私がなぜ「複業による起業」をすすめる講座を開催しているのか、またそれにより対価を得ることにこだわっているのか、順を追ってご説明します。 

 

対価を得ることの意味
感覚的にはいつも、100人のうち1〜2名に共感いただけると良いなぁと思いながら、企画を創ってきました。人生100年時代の多様な働き方として世の中では 


「お金だけでなくやりがいのある仕事を
→複業・パラレルキャリア」
 
という文脈を見かけます。私は、少し違います。
 
「やりがいだけでなく、提供価値に見合った対価を得られる期待役割を
→複業・パラレルキャリア」


ということを目指しています。両者の違いは、「稼ぐこと」に対する捉え方の差にあります。
 
前者を否定するわけではありません。まず何かを始める、という段階においては収入の有無にこだわる必要は無いと思っています。
 
しかし無給での奉仕と有給での仕事では、顧客(相手)の評価軸は真逆です。
 
・無料なので、基本的に何をしてもありがとう
・有料なので、要求に見合った品質を提供してくれたらありがとう
 
はい、この辺で自分は違う考え方だ、という方は「99%」なので、私が伝えたい対象ではありません。皆さんを否定しているわけではなく、働き方の多様性の中にある、ある一辺についてお伝えしています。
 
対価を得るということには、それに見合った価値提供を伴う責任が生まれます。言い換えると、それこそが社会における自分の「期待役割」になります。

 

期待役割は自ら生み出す

サラリーマンの場合多くは会社が仕事を用意してくれ、それを分割して各部門に割り振り、さらにその中の構成員で分割して、ようやく一個人の「役割」となります。基本的に個人が自分で役割を見つけてくる、というタスクはありません。
 
産業革命以降、大手資本に資産と労働が集約され、効率的な経済活動のあり方として長年機能してきた、その代表的な働き方が「組織に雇用される」ということの意味です。
 
でも今、その経済活動の効率性自体が揺らいでいますよね。大量生産消費社会は持続しない、ということも明らかになってきました。であれば前時代に完成した働き方のままでは、遠からず無理が発生するのではないか、と考えています。そしてそのしわ寄せは、まず末端の労働者に降ってくるということが容易に予想されます。

 

期待役割を、自らが生み出す必要性が求められるのはそれほど遠い将来ではない、という感覚です。いずれ雇用が流動化し、組織に雇用されずにプロジェクトごとに適した専門性を有する要員をアサインする、フリーランス的な働き方が企業の側からも求められてくるとも言われています。

 

働き方のポートフォリオを組む

複業・パラレルキャリアの講座をこれまで20回くらい開催してきて、約600名の皆さんと対話し、それぞれの意識や価値観に触れることができました。
 
とても興味深いのは、そのうちの多くの人たちが、「普通」とされている世の中の働き方・生き方が自分にはフィットせず、苦しんだりほかのあり方を模索しているということでした。そしてその解決策の選択肢として、複業・パラレルキャリア的な働き方・生き方に光を見出しています。
 
福祉・介護職の方、ご自身に精神疾患の経験がある方、ご家族の看護が必要な方、過労と人間関係から退職した方、営業成績優先主義に疲れた方、定年が見え本来の自分を模索している方、などなど。
 
複業・パラレルキャリアという働き方は、その言葉そのままに両立支援という側面も有している、ということを福祉分野の専門家の方からも伺いました。一つの職業や役割を力強く続ける、ということが困難な場合にその重さや辛さから離れて、個人それぞれの考え方や家庭事情など状況に見合った働き方をポートフォリオのように柔軟に組み、生活の糧を得て家族と共に暮らしていく、そんな生き方です。
 
だから、複業が無給であってはその効果を発揮することはできないのです。提供価値に見合った対価を得られるからこそ、自身の生活をより実りあるものとしながら、同時に顧客の期待に応える品質を提供し喜ばれ、社会における期待役割を少しずつ形にしていくことができるからです。

 

影響を与え、広げること
もう一言付け加えると「かせぎ」の手段が2つ以上になった瞬間から、アイデンティティが自立してきます。○○会社の△△さん、から離れた別の期待役割を持つことで、本来の生身の自分が何なのか、ということを自然と意識するようになります。
 
私のこの小さな取組から既に何人もの複業による創業者が生まれ、そしてそれぞれに活躍の場を広げていらっしゃいます。これは私の力ではなく、参加した皆さん自身が内包していたエネルギーを形にするきっかけとして、講座をご利用いただいたものと理解しています。それぞれに自立したアイデンティティを有し、楽しくはたらくことを実践されています。
 
国内の労働人口に占めるサラリーマンは約85%、そのうちたった1%つまり「6,700万人×85%×1%=57万人」 の皆さんに共感いただき、実践できればちょっとしたムーブメントになるかなぁと、日々空想しています。
 
57万人というのは、決して不可能な人数ではないと思っています。既に数十万人の皆さんにこういった考えを書き連ねたブログの記事をお読みいただき、Facebookのイベントページは時に数千から1万人を越える皆さんが見て下さっていますし、なによりも講座に参加いただいた600名の皆さんから広がる影響の輪は、数千数万と今も広がっています。
 
これが、いわば私なりの働き方改革です。これからも少しずつ、続けていければと考えています。共感いただける皆さんのご参加を、これからもお待ちしています。