skillnoteのブログ

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起業・複業と自己実現の微妙な関係

キャリアチェンジとしての起業、あるいは複業による起業ブームが続いていますね。そこで私が大切だと思うことを少し書きたいと思います。

まず、自己実現や自己肯定感を満たすことを当初のきっかけとして事業を起こすのは「アリ」だと思っています。自分を変えたい、自分を取り巻く現状を打破したいというモチベーションは時に「ゼロから1」を生み出す大きなエネルギーとなるからです。

しかしいつまでもそのままの動機づけでは、あっという間に底を打ってしまうのが現実の厳しさです。お客様がサービスの提供者に求めるのは「プロフェッショナルであること」であって、そこには売り手の目的が自己実現なのか何なのか、本業なのか複業なのかも全く関係無いわけです。

ましてや自己実現・自己肯定感を満たすための事業や商品サービスというのは、自然とその事がうっすらと透けて見えてしまうもの。例えば「意識高い系」と揶揄される人は感心のベクトルが相手(お客様)でなく自分自身に向いているゆえ、それに対しての不快感を示されているのです。厳しく事業者として自らを律する目線を持つことが、持続的なビジネスには大切だと考えています。

また、あの人はとても頑張っていて共感するから応援(購入)しよう、は一回もしくは数回以内の期間限定。相手が自ら進んで、大切な友人に自信を持って紹介できるクオリティや満足感を提供することが、真の顧客満足のためには必要です。

・マルシェで手作りクッキーを販売する
・フリマでオーガニックブーケを販売する
・複業で英語の講師をする

例えばこれらがその場限りの属人的な品質に留まるならリピーターは得づらく、価値としても相応の評価しか選られません。

そうではなく市場にある他の同じ商品サービスを強く意識し、大手企業やブランドでは手の届かないディテールにこだわったり、物凄く狭いターゲットに最適化した商品としての品質向上が実現できれば、それは自然と提供サービスの価格に反映します。

ワンコインだから、一回1,000円だから付き合って欲しいの世界から脱するかどうかは、起業・複業が持続的なものとなるかどうかの分かれ目として乗り越えるべきハードルです。価格というのは顧客が示した、サービスに対する価値判断のバロメーターなのです。

そのために何をしたら良いのか、それはサービス提供者である自分自身のみが解決できる問いです。顧客のことを一番に考え日々思考を巡らせこだわり抜いた先に、きっと答えの断片は見つかるでしょう。(それは自己実現のみを目的とするならば不要なプロセスになるかもしれません)

そうして時間が経ちふと振り返ると、当初ビジネスを立ち上げた頃の不安定な気持ちや自己実現を模索していた姿は過去のものとなり、顧客思考のプロフェッショナルとして自立しつつある自分に気づくことができる、そのように感じています。




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