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貸し農園で農業を始めたら良いことづくめだった話

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ふとしたきっかけで自宅近くの農園を借りて野菜づくりを始めて3年目。ほぼ経験値ゼロからのスタートにも関わらず、すっかり生活の一部となりその魅力に取り憑かれています。飽きることなく続けていけるのは、野菜づくりを通じてたくさんの「良いこと」に日々出会えているからなのですが、その要因を大きく4つお伝えします。

1.採れたて野菜はとにかく美味しい!
自分の手で、家族みんなで作った野菜はとにかく美味しいんです。これまでに挑戦した作物はレタス、キャベツ、ニンジン、スナップエンドウ、枝豆、ジャガイモ、オクラ、芽キャベツ、トマト、下仁田ネギなど季節ごとに様々。誰かに販売するわけではないので、自分たちが食べたいもの、興味ある品種を旬に選んで育てます。時には「種」にもこだわり、収量増や病気対策のため品種改良された「F1種」ではなく、古来からの野菜の姿が楽しめる「固定種」を育てたりもしています。

有機無農薬で少量の野菜を手作業で育てていると、スーパーで毎日並んでいる野菜のことも自然と考えます。農家さんは安定供給や生活のため、ある程度の農薬を使い大量生産に適した方法で野菜を作ります。そして様々な工程と流通を経て、畑での本来の姿とは少し違った野菜がスーパーの店頭に並びます。そこには虫喰いキャベツやイビツなキュウリ、色ムラのある枝豆は並びません。一概に良し悪しということでなく、自分自身で野菜を作ることを通じてそんな事実を自然にはっきりと認識します。

そして何より、自分で野菜を育てると野菜本来の味を新鮮な状態で味わうことができます。採りたての野菜は甘みがあふれ、苦味がありません。野菜の苦手な子供たちも自然と食卓のサラダに手が伸びるようになります。農業が身近な産業だった時代はそれが誰にとっても自然な生活リズムだったはずですが、そんな生活に少しだけ回帰してみると、何とも幸せな気持ちになれます。
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2.リラックス・デトックス・ストレスフリー
どんな野菜も最初は土づくりから始まります。しばらく使っていない畑をクワで耕し、石灰を混ぜて中性化し、腐葉土や緑肥をすき込んで柔らかくし、鶏フンなどの有機肥料で土地の栄養をつける。そんな一連の作業は30分もすると汗だくで、たかだか4m×2mのお借りしている土地を全て耕すには半日以上かかり、終わる頃にはもうヘトヘト。でも作業の間たえず漂う土のにおいと手触り、千切れた雑草から漂う青くさい香り、それらが混じり流れる汗とともに日頃のモヤモヤを吹き飛ばしてくれます。

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土や緑に触れていると自然と心が落ち着いてきます。畑での時間の流れ方は、オフィスのそれとはだいぶ異なります。時計に従って作業するのでなく、土や野菜や天候のリズムに人間が合わせていきます。それは人口のものではない自然との対話だからこそ、元々私たち人間が持っていた原始的な時間の流れに、心身がゆったりと和んでいくのでしょう。

その証拠に、畑で作業をした日はぐっすりと深く眠れます。程よい疲れで自然と眠りにつき、睡眠の質も深くなります。聞くところによると、うつ病など精神疾患からのリハビリとしても畑での作業は有効に活用されていて、園芸療法という分野も確立されているのだそうです。畑には、リラックス・デトックス・ストレスフリーの効果があることを体で実感しています。
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3.畑が土日のレジャーになる
野菜は生き物なので、放っておくことができません。少なくとも週に一度はメンテナンスの時間が必要で、植え付け時期はまめに水やりをしたり、保護のためのネットをかけたり、雑草を適切な程度に抜いたり、成長に合わせて追肥したり、様々な作業があります。また収穫期にはどんどん出来てくるので、食べ頃を損なわないように収穫します。

必然的に土日のどちらかは数時間から半日程度を畑で過ごします。いつしか子供たちと一緒にレジャーシートとおやつを持って畑へ出掛け、野菜の作業をしては休憩し、まるでピクニックのように楽しんでいます。虫が好きな長男はいつもバッタやトンボ、カマキリなどを追いかけるのに夢中です。また子供たちも畑の作業を通じてクワやカマ、剪定ハサミなど少し危険な道具の使い方を覚える機会になります。土や虫たちとたわむれながら、とても東京とは思えないアウトドアな時間を畑では過ごすことができます。

そんな週末のため、畑をお借りしてからは相対的にレジャー費の支出が減りました。畑には毎月数千円の使用料をお支払いしていますが、遊園地や旅行の支出に比べたら遥かに安上がりです。花の咲く季節には野菜が様々な色の花を見せてくれ、観光地に行かなくても楽しめます。今では家から自転車で10分にある畑が何よりのレジャーになっています。
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4.新たなコミュニティができる
私が野菜づくりを行っている農園は、地主の農家さんが使わなくなった分の土地を「体験農園マイファーム」https://myfarmer.jp/ という民間サービスに委託をし分割してユーザーがお借りする仕組みになっています。行政が提供している市民農園もよいのですが、年度ごとの抽選で打ち切りがありえることや、土地の移動が必要になるなど様々な制約がある場合もあると聞きます。その点で民間の体験農園サービスは連続した取り組みが保証されていて、安心して野菜づくりを行えます。

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同じ農園には30区画程度があり、他のユーザーさんとも時折顔を合わせるので「いい色の野菜ですねー」「何に挑戦してますかー?」なとお互いに声を掛け合って、気軽な農園付き合いになっています。また畑には「管理人さん」が毎週末に来てくれるので野菜づくりのアドバイス・具体的なサポートはもちろん、時にはユーザーを集めた畑でのお食事会を企画するなど、ちょっとしたコミュニティになっています。

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地主のおばあちゃんもとても良い人で、ご自身でも畑の一角を使って野菜やお花を育てています。先日おばあちゃんから枝豆のおすそ分けをいただきましたが、農業歴数十年の腕前と私たち素人との差は歴然としていて、畑のおばあちゃんの凄さをあらためて認識しています。こうして、職場と自宅のほかに畑がサードプレイスの機能を果たしてくれ、新たな居場所となり生活全体のクオリティを高めてくれます。


さて、いかがでしたか? 良いことづくめの貸し農園、気になる皆さんはぜひ始めてみてください。
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