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「自分は何ができるのか」明確に伝える力が40代サラリーマンを救う

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サラリーマンの40代、というのはどうやら一つの節目のようだ。

 

ごく最近目についただけで、40代を迎えたサラリーマンを憂う記事がこんなにも書かれている。その一つ一つは紛れもない現実であって、それは他人の悲哀でなく自分自身の今日の話なのだと、果たしてどれだけの人が認識できているだろうか。私自身も組織に片足を置いている一人として、自己反省を込め考えを述べたいと思う。
 

管理職が要らない社会

50年後には4,000万人も人口が減る日本において、少子高齢化を加味すると労働人口の減少率は更に顕著だ。単純に働く人が少なくなるのだから、それを管理する「管理職」の必要数は減り、また併せてAIなどの技術革新や組織のフラット化、労働・雇用形態の多様化により、本質的な人員管理に必要とされる管理職の役割は限りなく少なくなるだろう。事実、上記の城氏の記事にあるように、40代以上で特定の技術を持たない人材の雇用を望まない組織は今後も増えていく。
 
はっきり言うと、もう既に管理職というのは誇れる役割でも経験でもないのだ。経営のボードメンバーとして直接的に企業活動を指揮したり、経営企画や人事部門の先頭に立って組織運営の責を担うなど、限られたトップマネジメント経験を持つ人には相応の人材価値はあるのだが、大多数を占める管理のための管理職、組織の中間で上と下を調整する役割は、労働市場においては価値が無いとされている。上記の竹内氏の記事にあるように、そのことを理解しないまま大企業から転職した管理職経験者は、後になってはたと自分への期待役割の薄さとコアスキルの欠如に気づくことになる。
 

「何ができるのか」具体的に説明できる力

ではどうするのが良いのか。やはり何よりも他人に真似できない「特定の技術」を身につけ、磨くことに尽きる。誰しも職業に就いた当初は、その業種や職種に必要とされ、また活躍できるための能力強化に力を注いだはずだ。
 
大きな組織に長年身を置く人は顕著なのだが、せっかく身につけた専門能力がだんだんとその組織に特化したガラパゴス的なスキルに置き換わり、そしていずれは役割の変化と共に管理業務に取って代わり、現場の技術がわからない・社外ではわからない・自分ではできないという状態に陥りがちだ。反面、いつの時代も顧客や労働市場が求めているものは常に「何ができるのか」という具体的な能力であり、またそれを言葉でわかりやすく伝える、説明できる力が私たち労働者には必要となっている。
 

組織に頼らず、自分に頼ろう

もはや私たち一人一人の労働価値は、自分自身が高める他にない。毎日仕事として費やす1分1秒が、本当に意味のある時間なのかどうか。成果が自分の内面に具体的に蓄積されない仕事というのは他人のための仕事であって、価値の薄いものだ。
 
ただ従順に属する組織に成果を置いておくことは、かつてはそれが組織貢献であり愛社精神とされたが、それに報いる信頼関係は既に崩れているのではないか。寝耳に水のリストラや早期退職勧奨の対象に自分がならない保証はどこにもない。今までの延長で「逃げ切りたい」人はそれで良いが、自分が本当にそれを求めているのかどうか、態度を決めることが必要だ。
 
そんな投げかけの始まりは高橋俊介著「キャリアショック」であったと記憶しており、そこに書かれていた来るべき労働環境の変化に恐々としたものだが、その出版から早くも15年が経過した。振り返ると、この15年で社会は確実に変わったのだ。あと変わるべきは、私たち自身に他ならない
 

考え続け、自分の役割を見つける

では私たちは一体、何をすれば良いのか。それには特定の優れた「技術」を身につけることだ。身につけるべき価値ある「技術」というのは何も理系の技術者やIT・webシステム業務に限った話ではない。
 
「営業しかやったことがない」のであれば優れた営業力というものがどんな要素で構成されているのか分析してみるといい。それはどのような手法で身につけられたのか、他人に同じ力を習得してもらうならどんなプロセスが有効なのか、他業種で応用が効きそうな先はどこか、そういう知恵を言葉に置き換えわかりやすくまとめ、再現性を持たせることが出来たならそれは優れた「技術」に他ならない。
 
大切なことは、常に自分の頭で考え続けることだと私は思う。大きな流れに漫然と乗っている日々は楽かもしれないが、その先が滝なのか海なのかもわからないのが今の世の中だ。だから時には流れに逆らい、脇道に逸れ、漕ぎ方を変え、あるいは船を乗り換え、とにかく考えては判断することを繰り返すことだ。ただ組織から与えられた役割に安住していても、何も得ることはできない。私たちの寿命は、組織のそれより遥かに長い。自分の生涯の役割を自分で見つけることができた時はじめて、本質的に自立したキャリアの第一歩を踏み出すことができるのだ。