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知ってる人はやっている"生み出す会議"の進め方

日ごろ仕事をしていると、どうにも無意味に感じてしまう会議に出会うことがありますね。できればそんな会議は一掃したいですが、文句だけを連ねても解決しません。会議の生産性を高め、何かを"生み出す"効果を発揮する会議の進め方をお伝えします。

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1.拡散→収束のステップを踏む
まずはアイデアを数多く出します。あるいは、決定すべき賛否の理由を数多く挙げます。とにかくスタートは多くの材料をテーブルの上に広げることから始めます。年齢や役職に関係なくお互いがイーブンの立場で意見を出し合うことが、最終的に得られる結論の納得感を高め、それに続く行動が意味あるものに変化します。
そうして十分に拡散したのちに、結論を見出す方向へ絞り込んでいき、収束させていくことを意識します。区切りごとに参加者の合意を確認し、積み重ねていきます。大切なのは安易に前の決定を翻さないこと。一つ一つの小さな決定の積み重ねが大きな意思決定を支え、そこに一本筋の通った論理性を持たせます。

2.戦略→戦術の2段階で考える
イデアを考える際にはまず大きな枠組み、戦略から検討します。目的を達成するために、あるいは課題を解決するためにどの方向に向かってどんなシナリオを描くのか、という俯瞰の議論です。Aという商品を通じて我々は社会にどのようなメッセージを届けたいのか、Aという商品のコンセプトが消費者に伝わった時、世の中はどのように変化するのか、といった少し先の未来を捉えた大きな議論です。
これを十分詰めてメンバー内で意思統一できたら、その戦略を具体的に進める戦術について考えます。Aという商品の認知度を高めるにはどうしたら良いか、Aという商品のある生活イメージをどのように共有するのか等々、実際に何をやるかという行動ベースの話はこの戦術になります。ただし戦略なき戦術は早々に行き詰まってしまうので、戦略→戦術の順序が大切になります。

3.つなげる・捨てる発想から
イデアや考えを形にする時、ゼロから素晴らしいものを生み出すことができれば良いですが、実際それは困難を要しますし、今回できても毎回は難しい、という実感を誰しもお持ちだと思います。そこで大切なのは、アイデアは常に"新規"である必要は無いということです。AとBという普段は交わることの無いもの同士をつなげることで、そのマーケットにおいては新規性の高いサービス、ということも十分にありえます。性質の異なる二つをつなげる、という引き出しを意識するだけでアウトプットの幅が広がります。
また「捨てる」ということも同時にアイデアを研ぎ澄ますことにつながります。誰にも好まれる商品は誰にも好まれない、というジレンマから抜け出すために、機能の一部をあえて使わない・対象を限定する・時間や空間に制限を設けるなど"捨てる"ことで全体を特徴づけ他と異なる差別化を目指すことができます。かの経営学マイケル・ポーターの有名な「競争戦略論」という、企業が他に秀でるための戦略についての要旨は「他と違うことをすること、やらないことを決めること」でした。私たちが日常関わるモノゴトもほぼ同様と考えて良いと思います。

4.今どのへん?と声に出す役割
その会議がいまどの辺りにあるのか"天の声"を誰かが出す、ということです。「今日のゴールはA.B.Cのテーマを決めることでしたね」「いま30分経過しました。今日の議題はあと4つありますよ」「皆さん疲れてきましたか?少しブレイク入れませんか」「ここで今日の議論を一度振り返ってみましょう」「皆さん納得していますか?いま、率直にどんな気持ちですか」「さて、間もなく予定の60分になります。次の予定もそれぞれあるでしょうから、この辺りで一度まとめましょう」など。
会議の際に全員が議論に熱中してしまうと、議論全体を効果的に動かす力がやや失われたり、迷走したりしがちです。メンバーの中の一人が「今どのへん?」とナビゲーションする立場、すなわちファシリテーターの役割を担うことで会議の成果やアウトプットの質を高めることに大きく寄与します。

さて、"生み出す会議"の進め方、いかがでしたか?これから年度末、新年度に向かって何かとまとめの議論を重ねる時期という方も多いと思います、それが有意義な時間となるよう活用してくださると嬉しいです。




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