そのプレゼンに"魂"はあるか
面白い記事を読みました。
メディアファシリテーターの佐々木博氏による記事で、非常に興味深い内容です。
話の「3つの要素」
私が普段開催している講座では、プレゼンテーションを
1.話の内容(テーマ選択と語句表現)
2.話の構成(ロジカルスピーキング)
3.話し方(視覚・聴覚・感情のデリバリースキル)
の三点に分けてそれぞれのポイントを掘り下げています。それらを踏まえて伝えたいことをビジュアル資料のスライドに落とす場合に注意すべきポイントとして、冒頭の記事が非常に参考になります。
よくある間違い
頭の中で構築したことと、見せる素材は必ずしもイコールである必要はありません。しかし論旨がブレることのない"統合性"と、相手が理解しやすくインパクトを与える"表現の工夫"が重要です。
様々なプレゼンを見ていると「話したいことを全て、話す順番通りにスライドに入れ込んでしまう」というエラーを見かけることがあります。また、"話し手の話したい順序"ではなく"相手が理解しやすい順序"であることも大切です。
想いと情熱が相手を動かす
冒頭の記事に戻り、肝の部分を少し考えてみます。
どうしたら、「私」という存在を的確に表現できるか?この葛藤こそが、プレゼンテーション資料を作成するときの「問い」であって、大切な思考法なんです。
そうです、ここが肝心です。最終的にプレゼンを構築する上で最も大切な要素だと思います。言い換えるならば、プレゼンはその内容がどんな分野・話題であれ、伝えたい核心部分は「私自身」の想いであり、情熱なのです。それに勝るインパクトは無く、プレゼンの目的である「聴衆に影響を与え、行動を促す」ことにダイレクトに繋がります。それを、頭の中で描いたフレームからビジュアル資料に変換する時、伝えたい内容と相手の理解に、どのように「自分」を織り込んでいくか、という葛藤なのです。
"TED"の魅力的なプレゼンターがなぜ魅力的なのかは、ユニークなジェスチャーや意外性のあるアイテムを駆使しているからでは決してありません。その背後をしっかりと貫く「自分を表現する魂」の熱さに、我々は感動しているのです。