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コンテンツのあるおっさんと、無いおっさんの見分け方

私自身もアラフォーで立派なおっさんの一員なのですが、どうも世の中には人から受け入れられるおっさんと、遠ざけられるおっさんがいるようです。その違いは外面的なこと(顔が怖いとか、臭いとか)を除くと、要はコンテンツを持っているかそうでないか、そのコンテンツを発揮することで人の役に立っているかどうかの違いではないかという仮説を立ててみました。

まずコンテンツのあるおっさんと、無いおっさんを見分けるのは「発言」でわかります。たとえば、何かをこちらから話しかけ相談した時のレスポンスとして、

1.「若いころはそういう事に出会うものだよ。」

2.「何とかなるよ。」

3.「自分はどう思うの?」

これらの発言をするおっさんには、あまり有効な助言を期待できません。1.「若いころは~」の方は経験第一主義者ですね。世の中のだいたいのことは俺が経験している。だからその事例に照らし合わせれば答えはわかる。よくぞ俺に聞いてくれたな、フン!というタイプ。いろいろと助言はいただけるのですが結局振り返ると実態を十分に理解せぬままステレオタイプの助言をされ、時間だけ浪費してやや疲労が増すパターンです。

2.「何とかなるよ。」の方は、やさしさ仮面おっさんです。とりあえず楽観的にさえ返事しておけば安心するだろう、良薬口に苦し的な発言をして嫌われるのはイヤ、というタイプ。何とかならないから相談しているのに、これでは前には進みません。結局当たりの良い反応をすることで、自分の中身が無いことに気づかれないように良い人でありつづけたいと自己防衛をしているんですね。

3.「自分はどう思うの?」の方、ここ数年増えていると感じます。聞きかじったエセコーチングよろしく、相手から引き出そうとする気満々で、それがあからさまに相手に伝わってしまいます。聞いているのはこっちなんですけど。もったいぶらないであなたの意見を聞かせて下さいよ、と辟易してしまう経験はないでしょうか。結局これも自分自身にコンテンツの軸を持たない人が反応的に行動する一つのパターンだと考えます。


反面、コンテンツのあるおっさんは例えばこのように返答します。

1.「大変だろうけど、興味深いね。もう少し詳細を教えてもらえる?」

2.「正直、僕にはわからないなあ。その分野に詳しい人を紹介しようか?」

まず1.「大変だけど~」の方は、正面から同じ立ち位置で問題に対峙しようと
しています。安易にアドバイスするのではなく、まず事実関係や相手の気持ちを
できるだけ正確に把握することに努めます。問題というのは得てしてその「解決策」を求めることよりも、「真の問題点を発見する」ことの方がはるかに困難で、重要です。悩みを持っている状態では誰しも出来るだけ早くその状態を抜け出したいため、安易に解決策探しに飛びついてしまいがちですが、そうではないことをこのタイプの方はよく理解しています。それも自分自身にコンテンツの軸 となるスキルや考え方を持っているからこそ心のゆとりを持ち、拙速ではなく慎重にそして着実なプロセスを探ることができるのです。時には持っているコンテンツそのものを活用して問題の発見・解決に導くこともあるでしょうし、専門外だったとしても相手の主体的な行動を十分に後押しする役割を果たすことができるでしょう。相手や事実により深く関心を持とうとするのは、コンテンツを持っている方の特徴です。

続いて2.「正直、僕にはわからないなあ~」の方。一見冷たいようですが、決してそうではありません。コンテンツを持っている人の特徴として、自分ができることとできないことの境目をよく理解しています。悩みや問題が大きければ大きいほど、その解決に向けてのプロセスは最適な道を提案してあげたいでしょうから、自分を頼ってきてくれた人にまず自分のできることと、できないことを明確に提示する。その上で第三者の支援が必要となれば、早期にその段取りを組む。その方が無理に当事者で解決しようとするよりも遥かに結果は望ましいものになるのは明白です。コンテンツを持っている人の特徴は、他のコンテンツを持っている人をよく知っていて、ネットワークの強みを理解し大切にしています。なんでも自分が、ではなく専門スキルを持つ他人の外部脳を活かすことがどれだけ効果的かを知っているので、的確な「振り」をすることができるのです。

コンテンツを持つ、という何だか専門的な感じがしますが、コンテンツというのは何でも良いのですね。楽器好きが高じて地域のお祭りや養護老人ホームで披露するとか、仕事で習熟した中国語を近所の子供たちに公園で紙芝居形式で教えているとか、大学からの専門である化学の知識を活かして身近な出来事を解説する
ブログを書き続けるとか、防災安全分野の仕事経験から防犯術をマンガにしてSNSで発信するとか、iPad好きが高じて使えるアプリの講習会を企画するとか、いくらでもあります。「この分野ならこの人が詳しい」ということを積極的に周囲に発信し、その力を周囲のために発揮することを惜しまないこと。一つ一つの小さな機会を大切にすること。これだけで立派なコンテンツが自分の中に育っていき、同時に周囲の評価も自然と得ていきます。

誤解していけないのは、特にサラリーマンの方が持っている知識やスキルはそのままでは有効なコンテンツにはならない、ということです。商社で30年エビを専門にしていて、エビと貿易のことは任せろ!と思っていてもそんな話を聞きたいのは就活中の大学生くらいです。身近な生活に役立つように紐解き、わかりやすくしたものが始めて他人に役立てていただけるコンテンツとして認識されます。エビに詳しいなら例えばスーパーの新鮮なエビの見分け方とか、ラベルの見方とか、時期や地域でこんな傾向があるとか、それらをまとめて見やすい媒体に落として他の人が使えるレベルに変換するなど、常に相手目線を忘れずに継続することが必要です。

また、様々な分野・役割を長年かけて経験したから俺は何でも知っていてそれが強みだ、という方も要注意です。「なんでもできる」は「なにもできない」と同義で、周囲からの期待役割を得ることは困難です。経験を重ねるごとに「自分は何の専門家なのか」を絞り込んでいくこと、それが使えるコンテンツに育っていく源となるのです。

コンテンツのあるおっさんと、無いおっさん。年齢が増していけばいくほど、ただでさえ煙たがられるおっさんの宿命。どっちを目指すかは、あなた次第です。

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