skillnoteのブログ

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"プレゼン"の要は非言語コミュニケーション

「明日、大事なプレゼンなんだよ」と聞くとそれは頑張ってね、と思う。この場合のプレゼンとは"発表機会"あるいは"商談"そのものを指している。

書店のビジネススキルのコーナーにずらりと並ぶプレゼン指南書。
『相手に伝わる、プレゼンの極意』のようなタイトルを手にとってペラペラとめくってみる。
"魅せるスライドの作り方"、"インパクトを与える論理構成"などなど。この場合のプレゼンとは、プレゼン"資料"のことを指している。

そして、情報を相手に伝える技術そのもの、これもまたプレゼン(スキル)という。私はもっぱらこの最後の"プレゼン"についてあれこれ考え、学び、伝えてきました。なぜならそれがとっても大切で有効な技術であり、しかしきちんと身につける具体的な機会やコンテンツがまだまだ十分に足りていないものだと感じているからです。

明日の大切なプレゼン"機会"に備え、徹夜でプレゼン"資料"を整える。それは時に必要な、素晴らしい努力だと思います。でも、その努力が成果につながるかどうかが最終的には求められます。成果とは、相手の行動に影響を与え、商品を購入するであるとか、何かこちらの望む選択・行動を促すことです。

一方の事実として、コミュニケーションにおいて相手に与える印象への影響度は「言語」と「非言語」でどのくらいの比率だと思いますか?

言語:非言語=1:9

何とこんなに偏っているんだそうです。どんなに資料の内容に細心の注意と努力をつぎ込んでもそれは全体の1割。それのみでは相手の行動に影響を与えることはほぼ不可能です。
相手に与える影響の9割を占める「非言語コミュニケーション」つまり伝達技術としての"プレゼン"が、とても大切なものだとわかります。

非言語コミュニケーションは、具体的ないくつかのスキルに区分されます。
・アイコンタクト
・ジェスチャー
・表情
・声の大きさ、質
・話のテンポと間
・姿勢、服装や髪型
そしてこれらを使って相手に向き合い、効果的な情報伝達を行うこと、それこそが本当に大切なプレゼンスキルなのです。

私たちは得てしてこの部分に労力をかけることを忘れてしまいます。5分間の発表のために、何回くらい声に出して"練習"をしますか?ほとんどのケース、一度も発声することなく本番に臨み、痛い思いをしているのではないでしょうか。せっかく練り上げたストーリーとビジュアル豊かな資料が、その魅力を十分に発揮しないまま、二度と巡ってこないかもしれない機会が終わってしまうのは本当に残念です。

プレゼンはスポーツと同じだ、という専門家がいます。つまり頭で理屈を理解すると共に、反復練習によって体でその動きを覚える性質のものだということです。そして私たちの身近で日々頻繁に行われているプレゼン="自己紹介"であると、私は位置づけています。ほんの短い時間の自己紹介に意識して効果的に向き合うことでトレーニングを重ねることになり、自己紹介そのものの効果はもちろん、プレゼンスキル全体の向上を図ることができる。そんなメッセージを主催セミナー参加のみなさんに、これまでお伝えしてきました。

プレゼンスキルの向上は誰でも、いつでも、気付いた時から始められます。少し大げさに言うなら、世界が変わるくらいその力は大きいです。私は10年前にそれを体験し、様々な経験を経て今に至り、実感しています。一人でも多くの皆さんに、それに気付いて欲しい、そう願っています。


【Tamacomに参加してきました】
Tamacomとは三鷹・武蔵野地域の事業者プレゼン交流会です。事業者と言っても企業だけでなく、大学やNPO、市役所や図書館、フリーライターやブロガーなど多様な方々。魅力あふれる「3分間プレゼン×23名」のスピーディーな構成でした。

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知人のプロブロガー、オカベテルマサさん(http://oregadget.net/)の発表。冒頭いきなり"自撮り棒"で記念撮影、会場の笑いを誘う。まさに非言語コミュニケーション満点の発表でした。この方には以前に「自己紹介のコツ」セミナーにご参加いただきました。素晴らしいご活躍をされています。

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発表の合間に名刺交換、歓談。この手の集まりは具体的な行動にすぐ発展することは少ない印象でしたが、こちらは違いました。スピーディな構成の妙か、あちこちで"本題"に切り込んで関係性が発展して行く様子を肌で感じます。場作りの大切さ、その工夫はとても勉強になりました。

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23名の発表リスト。どなたも"プレゼンの要"をよく理解されているように見えました。形だけのカッコ良いものではなく、相手の心を動かす非言語コミュニケーションが多数見られました、凄い。次回は私も発表者にエントリーしたいと思います。