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"2枚目の名刺"は、生きていく為のセーフティネット(命綱)

先日とあるセミナーでお聞きした、組織と個人の関係について研究されている方のお話がたいへん興味深いものでした。

・わたしたちは属する組織の"代表者"として物事を見て、聞いて、話している。意識せずとも組織のアイデンティティに大きく影響を受けている。

・組織は必要の無いものを見えないように効率化する。従って新しいアイデアが既にあっても「見えない」ことが多々ある。

・組織という"役割"を一旦外すことで見えてくる世界がある。それは例えば"プロボノ"(=職能スキルを活かしたボランティア)など、組織外の仕事や役割を経験することのメリットである。

(ここまで要約・引用おわり)

非常に興味深い示唆です。「組織は必要の無いものを見えないように効率化する」と聞いた時、背筋が寒くなるような感覚になりました。図星だと感じたからです。大企業などの組織は「縦割り」や「分業」が進んだことにより、社員が俯瞰的に物事を捉えることが苦手になっているという指摘は従来からあります。実際はそれ以上に深い部分で組織のアイデンティティから個人へ影響を与えていて、その年数が長くなるほど固定化していくと考えられます。

しかしそれは能動的なアクションで幾らでも改善できると考えます。ボランティアやプロボノ、パラレルキャリアといったいわば"2枚目の名刺"を持って活動することで、今まで無意識に頼っていた社名や肩書き無しに、裸の自分で相手に受け入れてもらうことにチャレンジできます。五感やあらゆる知識・人脈を駆使し、目や耳にする様々な情報をそれまでと異なる意識で受け入れると、「見えていなかったという事実」と「新しく見える何か」に気付くことができます。

ボランティアやプロボノの当初の動機づけは相手のために貢献する、というフェーズから始まることが多いですが、主体的に関わるとむしろ自分自身の成長や能力開発に直結するとトレーニングにもなるわけです。しかしながら"2枚目の名刺"でも漫然と一構成員として参加していては、当然ながらまた別の「組織のアイデンティティ」に左右されるばかりです。できることなら自分自身が日頃気になっている何か、どんな小さな事からでも良いので、何かを自分の手で始めてみるということを私はお勧めします。

あのホリエモンこと堀江貴文さんもパラレルキャリアやダブルワークを勧める記事を書いていました。

☆これからの時代の安定した働き方をホリエモンが語り尽くす 〜安定の鍵は掛け持ち!?〜 ホリエモンドットコム

要点としては、長く続いた雇用型の働き方から"ジョブ型"へ緩やかにシフトしていく社会の流れの中で、人材価値を客観的に担保できないと仕事が無くなっていきますよ、ということです。属する組織のアイデンティティにどっぷり浸かったままでは、それはリスクそのものになります。主体的な2本目のキャリアを持つことは、私たちが生きていくセーフティネット(命綱)ですらあるかもしれません。




*月一ペースでセミナーやってます。



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