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ドラスティックに変化してこそ女性活躍推進は実現する

私は企業の女性活躍推進、特に管理職登用の積極化に大賛成です。政府は「社会のあらゆる分野において、2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%程度とする目標=いわゆる2020-30目標」を定め、民間企業も含めた全ての組織にその達成を要請しています。

その重要性を理解するために、日本の女性登用の現状が世界的には最下位レベルにあることを認識する必要があります。

-企業などの役員会の女性比率(国際比較)内閣府男女共同参画局

・企業の役員に占める女性比率=1.23%
・企業の課長以上に占める女性比率=6.5%

この資料は対欧米諸国との比較ですが、国連加盟国全体の百何十ヶ国の中でもビリから2〜3番目に位置しているのが現状です。この低い数値を、あと6年でいずれも30%に引き上げるという、一見困難さを感じる課題に見えます。

ではどのように女性の管理職登用を進めていくのが良いか。まずは候補者の選定、モチベーション向上、能力開発、ネットワーク作り、サポート体制整備、人事制度の変更、試行実施・・・

これらの階段式の対策はその答えではないと、私は考えています。やるべきことは、シンプルに「次の人事異動」で目標とする割合を達成するのに必要な女性職員数を、ドラスティックに管理職に登用すれば良いのです。(もちろん本人意識に反しない範囲で)

それでは不安?組織がおかしくなる?確かに、過渡期的にはこれまでとの大きな変化により何らかの問題は発生するでしょう。しかし、2,3ヶ月が経過し半年が過ぎる頃には、組織内に新たな価値基準や、管理職でない女性も含めたその特性を活かす文化、家庭との両立などしなやかな仕事のやり方が生まれてくるはずです。いま社会で問題となっている多くの課題、パワハラやセクハラ、ブラック企業問題など、それらの課題が根元から解決する可能性が多いにあります。

これまでの企業や他の組織は極度の男性偏重文化でした。ですからそこのルールは全て男性発想、男性基準。今現在語られている女性の活躍推進施策そのものも、多くが男性目線なのです。「いきなり30%も女性の課長に変わったら、おかしくなるよ」は旧来型男性基準の発想で、杞憂です。その理由は簡単なことで、社会の半数は女性で構成され、消費の中心は女性自身や女性に対するニーズにより構成され、文化は女性の感性や発想で数多く生み出されているからです。立場が人を育てる、とも昔から言います。管理職の立場に変わった女性自身が、時間を経るなかでその役割を自分自身で消化し、強みを発揮していくものと考えています。

また、企業での組織運営や成果達成へのアプローチ、人事評価やワークスタイルそのものを、女性の管理職登用を30%に引き上げると同時に、女性の価値基準や視点を大きく反映させて変更していくことが、企業自体や社会全体を健全化させる源になるものと、私は考えています。世の中を見回せば既に多くの女性起業家がおり、女性中心の組織で経営的に成功している中小企業は幾らでもあります。大企業がそれをためらうのは、既得権にしがみつく男性によるものか、変化による未知の領域への恐れなのだろうと思います。

なぜ男性である私自身がこのように考えるかというのは、既に男性にも管理職を目指さない働き方を求める人が増えているからです。本人の職務適性・志向や、育児や介護など家庭生活との両立、社外での活動領域にも重きを置く"パラレルキャリア"の生き方など、様々な価値観の元に働く男性職員が現実にいます。ダイバシティとは単に女性活躍推進だけではなく、男性の多様な価値観や働き方を認めることでも本来はあるべきです。物理的にも限られている管理職ポストを男性が自ら進んで空けないことには、女性の登用も進みません。双方のニーズをマッチングしながら、企業と社会が健全化していくことを望みます。

*「スキルノート」の取組として女性活躍推進の支援に積極的に取り組んで参ります。活躍の場が広がりつつある女性の皆さんが新たな立場で相手に自分を理解いただく第一歩としての「自己紹介のコツ」セミナー。また、そもそも一つの仕事や家庭生活だけで自分の望むキャリア構築や自己実現には至らない、という悩みを乗り越えるヒントとしての「パラレルキャリア」セミナー。今週末7/26(土)は日本橋での「自己紹介のコツ」セミナーを開催します。残席ありますのでご興味ある方のご参加をお待ちしています。
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